ユーザーは「liberal(自由主義)」や「conservative(保守主義)」といったバイアスのカテゴリを使って、自分が望む方向に検索結果を誘導することもできる。カテゴリリストは、「slashtag」を付与することによって適用できる。例えば、「気候変動(climate change)」について調べるときに、「climate change /conservative」というクエリで検索すると、政治的な内容の検索結果が提示され、「climate change /science」で検索すると、科学に関するウェブサイトのみが表示される。
また、ユーザー独自のslashtagを作成することもでき、作者が許可すれば、ほかのユーザーもこれらのリストに寄与することができる。Blekkoはキュレーターや研究者にとって最適な検索エンジンになる可能性を秘めている(ただし、過去にも同様の試みがあった。「Rollyo」だ)。
Blekkoのテクノロジで非常に優れているのは、重要度を示す指標としてスパムを利用していることだ。ある検索結果で、既知の自動リンクファームやスパムサイトが多数表示された場合、Blekkoのエンジンはこのデータをクエリの重要度を示す指標として利用し、有益でない検索結果を積極的に排除する。
ビジネスとして見ると、Blekkoは決してGoogleではない。Skrenta氏もBlekkoがGoogleからシェアを奪うという幻想を抱いてはいない。同氏は「第3位の検索エンジンになりたい」と述べており、Blekkoは1日当たりのクエリが100万〜200万件に達すると利益を上げられると考えている(現在、ウェブ上では1日につき10億件以上のクエリが実行されている)。Blekkoは現在のところ、商用化の計画や広告は行っていない。
実際にBlekkoはビジネスを継続していけるだけのリピートユーザーを獲得できるかもしれないが、Blekkoのコンセプト(バイアスはよいものであり、もっと積極的な検索フィルタリングが必要)が支持を得られない限り、ウェブ全体に本当の影響を及ぼすことはできないだろう。Googleが今よりもBlekkoに似たものになり、ユーザーや場所に応じてカスタマイズされた検索結果を返すようになるのを止めることはできない。しかしそれまでは、Blekkoは誰にとってもGoogleやBingに代わる強力な選択肢になるだろう。さらに重要なことに、研究者や司書、ジャーナリストにとっては、大きな可能性を秘めている。検索エンジンの結果の精度を高める仕組みを研究したいと考えている人にとっても有用となる可能性がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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