Microsoftは米国時間10月28日に開幕した「Microsoft Professional Developers Conference」で、「Windows Azure」開発者向けに準備しているクラウド技術とプログラムに関する情報を公開した。
Microsoftが明らかにしたのは、「Windows Azure Virtual Machine Role(VM Role)」や「Server Appliction Virtualization」に関する計画だ。Microsoftはまた、Windows Azureのエントリー向けラインも発表し、多数の開発者のリクエストに応えた。
Microsoftは2009年、AzureでVM Role機能を提供すると発表した。その後の2010年3月になると、2010年中にはこのVM機能を利用して既存の「Windows Server」アプリケーションをマイグレーションできるようになる、と述べていた。
Microsoftは10月28日、VM Roleは「Windows Server 2008 R2」のインスタンスをAzureで稼働できるようにするものだ、と説明した。同社が発表した新しい計画によると、VM Roleの一般向けベータ版を2010年中に公開し、2011年には「Windows Server 2003」と「Windows Server 2008 SP2」のサポートを追加する予定だ。
Microsoftはまた、開発者やITプロフェッショナルがクラウドでVM Role向けに仮想マシンイメージを構築できるようにする計画も用意している。これは、オンプレミスでイメージを構築してインターネットにアップロードするというアプローチの代替となる。この機能は、2011年に提供予定とのことだ。
Server Application Virtualizationは、開発者がアプリケーションイメージをWindows Azureに移動するための機能だ。6月、Microsoftの幹部はこの機能を2011年後半に発表予定の「System Center Virtual Machine Manager v.Next」で提供すると述べていた。10月28日、MicrosoftはServer App Virtualizationのコミュニティテクノロジープレビュー(CTP)版を2010年内に公開し、正式版は予定通り2011年後半に公開すると述べた。
Microsoftはまた、「Project Sydney」技術についても最新情報を公開した。Sydneyの正式名称である「Windows Azure Connect」を利用して、ユーザーはオンプレミスとWindows AzureをIPベースで接続できる。Azure ConnectのCTPは2010年中に公開となり、一般公開は2011年前半になるという。Microsoftは「Windows Azure Virtual Network」としていくつかの技術を提供する予定で、Azure Connectはその1つとなる(Azure Connect以外の技術については、まだ詳細情報はない)。
事前に予想されていた通り、MicrosoftはAzure開発者向けの低価格プランとして「Extra Small Instance」も発表した。このプランは、計算リソースが1時間あたり0.05ドルというもので、Azure上で小規模なアプリケーションを構築して動かす開発者向けとなる。Extra Small Instanceのベータ版は2010年のうちに公開の予定だ。
Microsoftは開発者がWindows Azure向けに開発したコンポーネント、アプリケーション、関連サービスを公開できる「Windows Azure Marketplace」を提供する。ウェブ経由のデータサービス「Dallas」--正式名称は「DataMarket」--は、同Marketplaceの「通路」となるという。Microsoftは同日、DataMarketの正式版を公開している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」