一方、Microsoftのクラウド戦略をリードしてきたCSA(チーフ・ソフトウェア・アーキテクト)のRay Ozzie氏が辞任することが発表された。
これからクラウド戦略が加速するという場面での辞任発表は、昨年の楽天・野村克也前監督のように、シーズン終了前に辞任が発表されるプロ野球チームのようにも見える。しかし、Ozzie氏の役割はむしろアーキテクトという立場でのものであり、いよいよ事業レベルに落とし込まれたクラウド“ビジネス”は、Ozzie氏の手から離れ、Ozzie氏自らは新たなものを模索する立場に移ろうとしていたところだったといえよう。
その点では、クラウドビジネスの推進にOzzie氏の辞任が与える影響は極めて小さいといえる。
Windows AzureやSQL Azure、Exchange Online、SharePoint Online、Windows Live、Office Web Apps――そして最新のOffice 365といったクラウドサービスが出揃ったところで、Ozzie氏は最後に残された「エンターテインメント」分野のクラウド化に取り組むことになる。それがマイクロソフトでの最後の仕事になる。
Bill Gates会長を初代としたCSAは、いまのところ3代目を置く計画はないとしているが、再考研究戦略責任者(Chief Research and Strategy Officer)のCraig Mundie氏を中心とした研究開発部門を中心に、次のコンピューティングの世界を描く体制は整っているといえよう。
その点では、CSA職がなくなっても盤石の体制で次の未来に歩みだしたともいえそうだ。Microsoftがどんな未来を描くのかに期待したい。
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