Microsoftは米国時間10月18日、チーフソフトウェアアーキテクトを務めるRay Ozzie氏が同社を退職する予定であることを発表した。
同社技術の将来の方向性に疑問を投げかけるこの動きは、最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏から従業員に宛てた電子メールで発表された。Ozzie氏は、移行期間を経た後に同社を退職する予定。この期間の長さは明らかにされていないが、数カ月間になる見通しだ。
Ballmer氏は、Microsoftのウェブサイトに掲載されたメモで、「われわれの事業のすべての側面において現在、われわれのサービスおよびクラウドがフルスピードで進化する中、Ray(Ozzie氏)とわたしは18日、チーフソフトウェアアーキテクトとしての職務を退くというRayの意向を発表する」と述べた。「彼はしばらく社内にとどまって、彼の組織内のチームと継続中の戦略プロジェクトの移行を図り、われわれの事業を推進するグループに彼が築き上げた素晴らしい革新と素晴らしい革新者らをもたらす予定である。自身のチームの無理のない移行期間の後、Microsoftを離れるまでの間は、Rayは、Microsoftが多大な投資を継続中のより広い範囲のエンターテインメント分野に注力する予定である」(Ballmer氏)
Ozzie氏以外にも、Microsoftからは上級幹部が次々に退職している。ビジネス部門プレジデントを務めていたStephen Elop氏は2010年9月、Microsoftを離れてNokiaのCEOに就任し、エンターテインメントおよびデバイス部門プレジデントを務めるRobbie Bach氏も2010年春に、退職の意向を表明している(Bach氏はまだMicrosoftを退職していないが、2010年秋に退職する予定である)。
Ozzie氏は2005年4月、MicrosoftがOzzie氏のGroove Networksを買収した際に同社に入社した。当初、同氏は3人の最高技術責任者(CTO)のうちの1人であったが、2006年に現在の職に就き、それと同時に同社は、Bill Gates氏の引退を発表した。
Microsoftは、チーフソフトウェアアーキテクトの後任を置く予定はないと述べている。
Ozzie氏はMicrosoftに入社したときにはすでに、コンピューティング業界においては伝説的な人物であり、いくつかの初期のPCプログラムを開発した後、「Lotus Notes」を開発した。Ozzie氏は、IBMがLotusを買収した後、自身のベンチャー事業を立ち上げ、コラボレーションドキュメント作成エンジン「Groove」を開発した。
Ballmer氏はMicrosoftの従業員に宛てたメモで、「Rayは、『Windows』の初期の成功に多大な貢献をした」と記した。「Microsoftに入社して以来、彼はそのインスピレーションと影響力によって、サービスを中心とする現在のソフトウェア事業への移行を導いてくれた」(Ballmer氏)
Microsoftの在職中では、Ozzie氏は、5年前の「Internet Services Disruption」(インターネットサービスの破壊力)メモが最も有名である。同氏はメモで、同社の全事業がクラウドへの移行に向かう必要性を説明した。Microsoftはそれ以来、「Windows Live」「Windows Azure」「Office Web Apps」などの計画をローンチしてきた。
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