「Google Instant」ができるまで--ユーザビリティラボで見た人間重視のテスト - (page 4)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年10月22日 07時30分

 Googleは、開発コード名「Google Me」というプロジェクトを通じて同社製品に多くのソーシャルメディア機能を追加する準備を進めるにあたり、同社の決定に一般の人々が強い不安を感じないようにするという点で、同様の課題に直面するだろう。単純に、ソーシャルメディア製品をラボの中で1時間でテストするのは難しい。ソーシャルメディア製品には可変要素が非常に多く、その多くがテスターとコンピュータ画面という1対1のユーザーエクスペリエンスではなく、他のユーザーとのコミュニケーションに基づいている。そのような製品に対して適切に意見を形成するには、1時間では足りない。

数字は嘘をつかない

 Boyd氏のグループは主観的な学習を重視しているものの、サービスがリリースされた後は、よく知られたGoogleのデータ指向のテストプロセスが主導権を握る。

 「われわれが行っているのは成熟し確立したエクスペリエンスを最適化することのみだと思われがちだが、コンセプト自体が新しいものについては、A/Bテストで(その製品の進化に関する決定を)伝えることはできない」(Au氏)

 つまり、Boyd氏のチームは全般的に、Googleの最新の重要なサービスが、Google Buzzのリリースや2010年に行った「Google News」のデザイン変更で受けたような反発を生むことなく、ユーザーに最大限のメリットを提供するものとなるようにする役割を担っているということだ。

 勤続年数の長い筋金入りのGoogle従業員は、「Gmail」のスレッド表示を嫌がる人々など、同社製品を使用する一般の人々が下す決定に戸惑うことが多い。Au氏、Boyd氏、そして両氏のチームは、ユーザーに自社製品をもっと効率的に使用してほしいと思うGoogleエンジニアたちと、そのままで構わないと感じる一般ユーザーのバランスを取る役割を果たしている。

 このやり方も科学ではあるが、機械主導の科学ではなく、人間重視の科学だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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