ここしばらく、AdobeとMicrosoftはライバルにしかなれない運命であるように見えた。Microsoftは、「Flash」に対抗する「Silverlight」から、「PDF」に対抗する計画中のフォーマットにいたるまで、どの分野においてもAdobeを追従しているように思われた。
しかし最近、両社は互いに引き寄せられているように見受けられる。両社共通の敵Appleのおかげである。
両社もそう考えたようだ。少なくともThe New York Timesの米国時間10月7日付けの報道によると、Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏が最近、AdobeのCEOであるShantanu Narayen氏と1時間会合し、主にAppleについて話し合ったという。
Adobeは、「AdobeとMicrosoftは、多数の顧客を世界中で共有しており、両社のCEOは時折会合を持っている」と声明で述べた。「しかし、非公式な会合の時期や内容について、われわれが公にコメントすることは控えさせてもらっている」(Adobe声明)
Microsoft関係者は、この報道についてコメントすることを拒否している。
AdobeとAppleは、特に激しい戦いの最中にある。Appleが同社の人気の高い「iPhone」および「iPad」からFlashを締め出したことから、両社は互いにどちらが悪いと攻撃し続けている。Adobeは、Appleへの回答として、同社はAppleから「視点をそらす」つもりだと述べていた。
New York Timesの記事は、MicrosoftがAdobeを買収する可能性についても示唆している。両社は過去にもそのような話し合いを持ったが、独占禁止法の問題を解決することはできないだろうという懸念から実現に至らなかったらしいと報じられたことがある。現在では、Appleの復活とGoogleの台頭により、独占禁止法の問題はそれほど大きくないかもしれない。しかし、Adobeの時価総額は約145億ドルであるため、同社の買収にはかなりの資金が必要となる。
しかし、合併にまでは至らなくても、両社が密接に連携するという選択肢はあるだろう。そのための第1歩として、初期リリースには間に合わないが、「Windows Phone 7」上でFlashを稼働させるのがよいかもしれない。Microsoftは11日、ニューヨークで開催されるイベントで最初のWindows Phone 7搭載端末を披露する予定である。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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