2010年の年末商戦に登場するといわれている「Windows 7」スレートのメーカーリストから、またもや1社が姿を消すようだ。
その1社とはMSIだ。だが、EngadgetのPCレビューで有名なJoanna Stern氏が米国時間8月23日に報じているように、今回はWindowsから「Android」に乗り換えるのではない。MSIはIntelの「Oak Trail」プロセッサを搭載するため、Windows 7を搭載した「WindPad」の発売を延期することに決定した。Oak Trailは電力管理に優れ、バッテリー持続時間が改善するといわれている(ちなみに、MSIはAndroidベースのWindPadスレートも開発中で、Android搭載機種については年内に出荷予定という)。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Steve Ballmer氏が、年末商戦向けのWindows 7スレートを開発中のベンダー21社リストを披露したのは、ほんの1カ月前のことだ(見たところ、Ballmer氏のリストには、「Windows Embedded Compact」ベースのOSを搭載した機種も含まれているようだ。最新情報では、Embedded Compact 7のRTM(製造工程向けリリース)の時期は、現在でも2010年第4四半期とのことだ)。
Ballmer氏がリストを披露してからこれまでの間、Windowsスレート市場にはいくつかの変化が起きている。
ASUSは、Windows 7とWindows Embedded Compact 7の2つを搭載したスレート/タブレットを提供する計画にしている。しかし、開発中の製品(Windows 7搭載機種で1000ドル、Compact 7で400ドル〜500ドルという価格帯)は、2010年終わりにも、2011年初めにも間に合わない様子だ。
Hanvonは、2010年4月にWindows 7ベースのスレートをローンチすることになっていた。だが、わたしが知っていることといえば、2010年8月に限定市場(中国とオーストラリア)で数量を限定して発売され、価格は1000ドル以上ということぐらいだ。この「B10」が他の市場でも提供されるのか、そうであればいつなのかについては情報がない。
「ExoPC」の製造元であるPegatronもWindows 7スレートを開発中で、複数のパートナー企業がプライベートレーベルを付けて提供するようだ(ここまでしかわかっていない)。同社のカナダのパートナー企業、Ciara-Techは「Ciara Vibe」という名称で発売するようだ(この名称を検索するときは気をつけてほしい。職場では不適切な画像が表示される可能性もある)。これ以外のOEMはまだ正式に発表されていない。ExoPCは、Windows 7の上に独自のユーザーインターフェースを載せており、このユーザーインターフェース向けのアプリケーション開発を促進すべくアプリケーションストアも用意している。カナダでのローンチは9月中旬から後半に実現する可能性もありそうだ。
Hewlett-PackardはWindows 7スレートの発売を2010年第4四半期としているが、「iPad」と競合するコンシューマー向けというより、企業向けの製品(カバーのないタブレットのようなもの)となりそうだ。
Microsoftが7月後半に開催した年次カンファレンス「Financial Analyst Meeting(FAM)」でBallmer氏は、Microsoftとパートナー企業は、iPadへの回答としてIntelのOak Trailに期待していると述べた。ここでBallmer氏は、Windows 7--「Windows Phone OS」でもWindows Compact Embeddedでもなく--は、iPadと競合するにあたって最高のOSだ、と語った。
Ballmer氏らMicrosoft陣営が対応していない点として、Microsoftがある種の標準化したタッチシェルをスレート向けに提供するかどうかが挙げられる。現在、Windowsベースのスレートを作成するOEMメーカーは、タッチ型のOSにすべく、Windows 7の上に独自のユーザーインターフェースを載せている(Microsoftは、Windows 7、「Internet Explorer 8」「Windows Live」をタッチ向けに最適化するためのガイドラインは提供している)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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