MSのバルマーCEO、「『Windows 7』スレートは最優先事項」

文:Mary Jo Foley(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:末岡洋子2010年08月02日 10時35分

 Microsoftの投資家や株主が最も気になっていることの1つが、Appleの「iPad」へのMicrosoftの回答だ。

 Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は、米国時間7月29日に開催した金融アナリスト向けの年次イベント「Financial Analyst Meeting(FAM)」で、Microsoftの計画について新しい情報を公開しなかった。だが、出席した金融アナリストやプレスに対し、Microsoftは現実から目を背けているのではない、というメッセージを送った。

 「Windows 7」が動くスレート、タブレットなど新しいフォームファクタの構築について、「ハードウェアパートナー各社とともに進める」とBallmer氏は述べた。Ballmer氏はこの取り組みは「ナンバー1の作業」であると述べ、FAMの出席者に対し、新しいデバイスを市場に投入するにあたって「眠りこけているのではない」と語った。

 では新しいデバイスはどの段階にあるのか?「間もなく」登場する、とBallmer氏は述べたが、最新情報はなかった。具体的な投入次期はPCメーカーに依存している、とBallmer氏は言う。7月初め、Ballmer氏はWindows 7ベースのスレート/タブレットは2010年の年末商戦に向けて登場すると述べていた。

 Ballmer氏は基調講演中、軽量かつ高速なスレートを実現する技術として、たびたびシステムオンチップ(SoC)のIntel Atomプロセッサ「Oak Trail」(開発コード)に触れた。Oak Trailは2011年前半に登場予定しており、Intelによると、フルでHD動画を再生した場合、平均的な電力消費量を現在の半分に削減できるという(Oak TrailはWindows 7、Googleの「Chrome OS」、Linuxベースの「MeeGo」をサポートする予定だ)。

 Microsoftは先にARMとアーキテクチャライセンス合意を結んだばかりだが、BallmerはARMについては一切言及しなかった。また、「Windows Embedded Compact」(Microsoftがスレートメーカーに提供しているもう1つのOSだ)や、多数の顧客がスレートやタブレット端末で動くことを望んでいる「Windows Phone 7」にも触れなかった。

 Appleは「iPad」で「興味深いことをした」、そしてMicrosoftが予想していたよりもはるかに多くの台数を販売したことをBallmer氏は認めた。しかし、Microsoftは「ネットブックでわれわれが行ったように、攻撃を仕掛けていく必要がある」ことも認識しているとした。

 Ballmer氏は、スレートは新しいPCのフォームファクタに過ぎず、ユーザーはさまざまな価格、重さ、処理能力から選択したいと思っている、とするMicrosoftの考えを再度繰り返した。

 Microsoftの本社で開催されたFAMの展示技術では、幹部がWindows 7が動くさまざまなPCのフォームファクタを披露していた。だが、MicrosoftのOSが動くスレートはなかった。幹部は、「Windows Live Wave 4」サービスのデモも行い、これらのサービスがいかにしてPCを「自分向けのクラウド」に変えていくかについて話した。Windows Live Wave 4のローンチは、2010年夏から秋の予定だ。

 アップデート:QAセッションで、ある金融アナリストがBallmer氏にスレート計画の詳細を聞いた。Ballmer氏の回答は、WindowsがOSでIntelがプロセッサアーキテクチャになると述べた。Windows Phone OSは3から4インチの画面サイズ向けのもので、スレート向けではないとも述べた。「できるだけ早く市場に参入する」とBallmer氏。「本当に、本当に間もなくか?本当にもうすぐなのか?」という質問に対しては、Ballmer氏は「それほど先のことではない」と回答した。

 Ballmer氏がもう少し現実的な計画を公開し、スレート上のUIをタッチ対応に最適化する計画(あるいはそのような計画がないこと)について話してくれればよかったのに、とわたしは思った。

 アップデート2:Microsoftはまた、直営ショップを新たに3店舗オープンすることも明らかにした。ワシントン州ベルビュー、ミネアポリス、シカゴ郊外(イリノイ州オークブルック)の3箇所となる。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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