Appleをはじめ、さまざまなAndroid支援メーカーがスレートに進出する中、Microsoftも黙ってこれを見ているつもりはないようだ。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)、Steve Ballmer氏は米国時間7月12日、パートナー向けカンファレンス「Worldwide Partner Conference(WPC)」で基調講演を行い、集まった約1万4000人の参加者を前に「Windows 7」スレートが2010年末までに登場する見込みだと述べた。
Ballmer氏はスピーチ中、MicrosoftとAsus、Dell、Samsung、東芝、ソニーなどの既存PCパートナーは、Windows 7スレートを数カ月以内に投入すると述べた。Windows 7ベースのスレートはさまざまな価格、フォームファクタ--キーボード付き、タッチ画面のみ、ドック対応、デジタルインク対応など--を持つという。
2010年1月の「Consumer Electronics Show(CES)」にてBallmer氏がHewlett-Packard(HP)のWindows 7スレートを披露して以来、スレートというフォームファクタでどのように展開するかについてMicrosoftはほとんど語ってこなかった(Ballmer氏が12日の基調講演で、スレートのパートナーとしてHPに触れなかったのは興味深い(アップデート:一部が指摘しているように、MicrosoftのスレートスライドにHPの名前はあった)。HPはまだ、2010年中にWindows 7ベースのスレートを発売しないことを公式にコメントしていないが、HPの幹部は2010年秋に「WebOS」ベースのものを提供する予定だと述べている)。
Ballmer氏はパートナー企業に向かって、新しいフォームファクタであるスレート分野で「何が登場するのか、みなさんが知りたいと思っていることをわれわれはちゃんと認識している」と語った。
Ballmer氏は基調講演中、「iPad」や登場が見込まれる「Chrome OS」ベースのスレートを名指しで言及することはなかった。スレートは企業のIT部門から支持され、顧客は職場や自宅で利用できるようになるだろう、というのがMicrosoftの宣伝文句のようだ。
いまさら、スレートで何が出てくるのかについて--確信性なしに--顧客に語るのは、時期はずれのように思える。「Windows Embedded Compact」ベースのタブレットとスレートが登場するという話も聞いているが、これらでWindowsアプリケーションが動くのか疑わしい(とわたしは思う)。
iPadの人気ぶりを考えると、Microsoftの幹部はもはや、スレートはPCと大差ないとして軽くあしらい続けることはできない。Microsoftは次期「Windows 8」でスレートにフォーカスするといわれているが、Windows 8はリリースまでに2年はかかると思われる。
とはいうものの、スレートは単に物理的なフォームファクタだけではない。十分なバッテリ持続時間、インスタントオン/オフ、通常のビジネスアプリだけでなくコンシューマー向けのアプリやゲームを含むアプリストアがなければ、ユーザーはそれほど関心を示さないかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス