Facebookが米国時間8月18日夜に発表したロケーションベースの「チェックイン」製品「Places」は、空想的なSFファンタジーのような感じがした。(米CNETは先々週、同製品が近く発表されることを最初に報じた)。要するに、Facebookはデジタル世界の君主になり、ほかのすべてのジオロケーションアプリケーションの「道」を自分の方に向けさせたいと考えているだけでなく、ウェブのあらゆる知識を網羅した歴史家になることも望んでいる。
Facebookの製品担当バイスプレジデントChristopher Cox氏は、Facebook Placesの裏にある社会学的理由について説明した際、「人間に関する物語は、いまだに家庭の収納棚で埃をかぶっているものがあまりに多い」と述べている。Placesは、FoursquareやGowallaといったロケーション共有を手がける既存の新興企業の基本的な機能をある程度模倣した「チェックイン」サービスで、それらのサービスがFacebookの新しいPlaces APIにアクセスして、Placesと統合できるようにもしている。Facebook Placesはロケーションチェックインを収集するだけでなく、その情報の周りにメッセージやコメント、写真をアグリゲートし、ある種の「集合的記憶」を作成する。このような記憶は、物理世界の上に、Facebookが公開した物語という層を重ねるものだ。
「そういった物語は場所と関連づけられる。物語は物理的な場所に結びつけられる。20年後のある日、われわれの子供たちがサンフランシスコのオーシャンビーチに行くと、小さな魔法のデバイスのバイブレーション機能が作動して『ここは君たちの両親が初めてキスした場所だ』と話すかもしれない」(Cox氏)
さて、「小さな魔法のデバイスのバイブレーション機能が作動」というあまりよくないフレーズを使ったことと、映画「ウェインズ・ワールド」のSteve Carellの有名なせりふ「それは彼女が言ったことだ」というお決まりの反応が起きるであろうことはさておき、Cox氏の発言内容は重要である。
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