GoogleとFacebookの両社の台頭において中心的な役割を果たしてきた「ハッカー文化」にはカオス状態というものが付き物である。彼らはライバルがやってきてもっと良いものを作り上げてしまうことを恐れつつ、「Red Bull」とピザを片手に、いろいろなものを動くようになるまでつなぎ合わせては変更と改善を繰り返す。何らかの理由で挫折すれば、すべてをすっぱりあきらめる。内外から粗放的と見られることもあるだろう。
例を挙げると、Googleは1年間に何百回も検索アルゴリズムを微調整することで知られている。また、Facebookも定期的にホームページを刷新する。さらにGoogleはローンチ時に大々的に喧伝していた「Google Wave」と呼ばれる実験的なソーシャルコラボレーションプロジェクトの開発を先週中止した。7月には、Facebookも「Gift Shop」機能を廃止している。GoogleやFacebookのようなシリコンバレーのスーパースターは焼き畑農業スタイルの、(開発が終わると)他のシステムに移動してゆくような考え方を外の世界に発信しているが、これは社内にも適用されている。
こうした製品や戦略における比較的小さな変更が、はるかに大きなことを意味するようになってきている。GoogleとFacebookは何カ月もの憶測と予測を経て、本格的に互いを攻撃し始めるようになったのである。
現状について、Facebookがソーシャルウェブを支配し、Googleがそのほかのすべてのものを支配していると見ることもできるだろう。GoogleがFacebookからソーシャルメディアの支配権を少し奪い取りたいと考える一方で、Facebookは自社で構築した接続とコミュニケーションのチャネルで構成される巨大なネットワークを利用して、ソーシャルウェブ以外の世界を多少なりとも支配することを計画している。明白なアキレス腱を持つ巨人と、相手の急所を突く技術に優れたより小さくて俊敏なプレーヤーが対決するという構図だ。
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