UPDATE YouTubeをめぐりViacomとGoogleが長年にわたり争ってきた著作権侵害訴訟について、本件を担当している米連邦地方裁判所のLouis Stanton判事は米国時間6月23日、Googleに略式判決を出した。これを受け両社は声明を発表した。
Googleは同社サイトで「裁判所は、著作権侵害との主張に対し、YouTubeはデジタルミレニアム著作権法(DMCA)のセーフハーバー条項によって保護されているとの判断を示した」と述べている。
さらに「この判断を受け、YouTubeのようなオンラインサービスはオンライン上の著作権管理に著作権保有者と共同で取り組んでいる場合は法の保護を受けるという統一見解が、司法界で確立される」とGoogleは続けている。
一方、Paramount PicturesとMTVの親会社であるViacomは、引き続き争う姿勢を明らかにした。
Viacomは声明で「下級裁判所によるこの判断には根本的な欠陥があり、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の文言に反していると確信している」と述べ、「われわれはこれらの問題を、早急に第2巡回区連邦控訴裁判所に上訴するつもりだ」との意向を示している。
裁判は上訴後も続くかもしれないが、ニューヨーク州南部地区の連邦地裁で23日に出された略式判決は、Googleだけでなく、オンラインでコンテンツを共有する人々やテクノロジ部門全般にとって大きな勝利となった。
法学者の間では、この重要な訴訟の結果によって、コンテンツから最も大きな利益を得るのが制作費用を出した側なのか、それともそのコンテンツをウェブ上に広めるのに力を貸した側なのかがはっきりすると考えられてきた。
Viacomは2007年3月、Googleを相手に損害賠償額10億ドルの訴訟を起こし、Googleはユーザーに著作権の侵害を促していると主張した。YouTubeとGoogleがフィルタリングシステムなどのコンテンツ保護措置を実装する以前、YouTubeでは著作権者の許可を得ていないテレビ番組や映画の映像が普通にアップロードされていた。
Googleは、同社をはじめとするインターネットサービスプロバイダーは、DMCAのセーフハーバー条項によってユーザーが犯す著作権侵害の責任から守られていると主張した。今回、判事はこのGoogle側の主張を受け入れた形だ。
一方のViacomは、著作権を侵害している素材はあまりにも多く、サイト上のこうしたコンテンツの存在をYouTubeが知らないなどということはあり得ないと主張した。これに対しStanton判事は、YouTubeは権利保有者から通知された場合に著作権を侵害している動画を削除しており、DMCAで保護される資格を得るために求められるのはそれがすべてだとしている。
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