Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は米国時間6月7日、Worldwide Developers Conference(WWDC)2010の開幕とともに、最新世代の「iPhone」である「iPhone 4」を発表した。予想どおり高解像度ディスプレイ、より高速なプロセッサ、ビデオ通話機能を備えているが、新しいアンテナやジャイロスコープといった予想外の追加要素もある。iPhone 4は24日に発売され、米国ではAT&Tが独占キャリアとなる。通信サービスを同時に契約した場合の価格は16Gバイトのモデルが199ドル、32Gバイトのモデルが299ドル、という魅力的な設定となっている。いずれのモデルもホワイトとブラックの2色で発売される。VerizonからiPhoneが発売されるとのうわさがあったが、そのような発表は一切なかった。しかし、われわれは、その点について新しい発表があるとは考えていなかった。
外観だけを見ても、iPhone 4が「iPhone 3G」以来の最大のアップグレードであることが分かるだろう(「iPhone 3GS」ではコンパスが追加された以外に大きな変更はなかった)。本体は薄くなり、新たに前面にカメラが搭載されている(カメラについては後ほど詳述する)。またiPhone 4は、名称が変わって「iOS 4」となったOSを搭載して発売される初のデバイスとなる。iOS 4では、マルチタスク処理、電子メールの受信ボックスの統合、ホーム画面のアプリフォルダなど、ニーズの高かった機能が加わる。
全体として、iPhone 4は、2009年にiPhone 3GSが登場した時よりもエキサイティングなモデルだとわれわれは感じている。新しい機能、特に新しいOSの機能は長い間待ち望まれてきたものだし、通話品質を向上させる工夫なら何でも歓迎だ(結局のところ、これは電話機なのだから)。
新型iPhoneのデザインは、これまでのiPhoneモデルから大きく変化している。前面と背面はガラス製であり、いずれの表面も平らで、ステンレス製の縁が端末全体の側面を囲んでいる。確かに、4月にGizmodoに掲載された写真(Appleのエンジニアがカリフォルニア州レッドウッドシティのバーに置き忘れたとされるデバイス)にとてもよく似ている。そのほかの新しいデザイン要素としては、前述の前面カメラ、分割された音量調節ボタン、ノイズキャンセル用マイク、メインカメラレンズに新たに付いたLEDフラッシュが挙げられる。さらにiPhone 4では、SIMカードが「iPad」と同様にmicro-SIM形式に変わった。
いくつかのレベルで新しいデザイン要素を歓迎する。背面が平らになったことで、もうiPhoneをテーブルの上に置いても不安定になることはないだろう。また、全体的にはやや角張った印象だが、デバイスの外観はすっきりしていて明らかにAppleと分かるデザインだ。0.37インチ(9.3mm)となったiPhone 4は、これまでのモデルより25%薄くもなっている。Jobs氏は市販されている中で最も薄いスマートフォンと呼んだが、競争状況は日々変わるため、その地位は長くは続かないかもしれない。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」