最新OSのNetScaler 9.2は、マルチコアCPUへの対応を強化するとともに、IPv6間のスループットを12Gbpsから18Gbpsに拡大しているほか、SSL処理の性能を25%向上させた。また、XML XPathやJSONに準拠した高速なコンテンツスイッチング機能が実装され、最新のウェブアプリケーション配信の最適化に注力したOSでもある。さらに、64ビットキャッシュをサポートし、ビデオ、音声、高解像度の画像などのマルチメディアデータ、大容量ファイルのデータ配信の高速化とサーバの負荷軽減を図っている。そのほか、トラフィックの量に一定の閾値を設定し、それを超えると負荷を分散させるGSLB(Global Server Load Balancing) Spillover機能も加わった。
セキュリティ面では、NetScalerに統合されているアプリケーションファイアウォールで、XMLデータ保護、クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)への対応など、ネット上のさまざまな脅威への防御態勢が強化されている。
「Burst Packライセンス」を設けたことも注目される。これは、利用分だけ支払うしくみのPay-as-You-Grow課金モデルを応用し、ライセンスの有効化から90日間は、Citrix NetScalerの一時的なパフォーマンス増強が可能になるというもの。クリスマス商戦期、あるいは大型イベントなど、一時的にネットのトラフィックが増大することによりパフォーマンス不足が引き起こされる場合、素早く容易に対応できるという。Burst Packライセンスを利用すれば、トラフィックのピーク時に対処できる高額な上位モデルを購入する必要がなくなる。同社では「マルチテナントのクラウド環境で発生が懸念される、事前予測の難しい突発的なアクセス増などに対応可能な新しいライセンス形態」としている。Burst Packライセンスは、2010年後半から提供を開始する予定だ。
仮想アプライアンスのCitrix NetScaler VPXは、ベアメタルハイパーバイザー上に実装された仮想アプライアンス版のNetScaler。同社では2009年、10Mbps、200Mbps、1Gbpsのスループットを持つモデルを発表しているが、最上位モデルとして3Gbpsに対応する「Citrix NetScaler VPX-3000」を2010年後半に提供する予定だ。
また、同社はCitrix NetScaler VPXが、Microsoft Hyper-V、Microsoft System Centerなどのデータセンターおよびインフラソリューション、Microsoft SharePoint 2010やMicrosoft Exchange Server 2010など、最新の主要エンタープライズアプリケーションに対応することも発表した。マイクロソフト製品を利用するデータセンターの管理者は、NetScalerによるウェブアプリケーションのアクセラレーション、負荷分散、セキュリティ機能をSystem CenterやHyper-V上のネイティブなサービスとして利用可能になる。
Citrix NetScaler VPXも、Pay-as-You-Growモデルを採用しており、下位モデルのユーザーは必要に応じて、Citrix NetScaler VPX-3000にライセンスアップグレードすることができる。
さらにシトリックスでは、NetScaler VPXが最大15Gbpsまでスケールアップできることを実証したという。このパフォーマンスは、SR-IOV(Single Root I/O Virtualization)を実装したインテル バーチャライゼーション・テクノロジーを使用して達成された。同社によれば、この結果は、ハードベースのアプライアンスが必要とされるレベルの性能を、仮想アプライアンスで実現可能であることを示すものであるとしている。
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