アップルの音楽業界への影響力--「iTunes」の成功と反競争的行為の可能性

文:Greg Sandoval(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年06月01日 07時30分

 複数の音楽業界筋が米CNETに語ったところでは、米司法省(DOJ)の調査員が、少なくとも3週間前から、Appleのデジタル音楽に関する商行為について事情聴取を始めているという。

 Apple最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏 Apple最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏
提供:Stephen Shankland/CNET

 DOJの調査員は、レコード会社やデジタル音楽ストアの数多くの幹部に事情を聴いており、この件に詳しい人物によると、調査員の関心は明らかに、Appleが反競争的な戦術をとってきたかどうかを知ることだという。この情報筋は、DOJの調査は実情調査の段階でしかなく、調査員が不正行為を特定したり、Appleに対して訴えを起こそうとしたりしている兆候はないと話している。

 Appleと米司法省の関係者に取材を申し込んだが、回答は得られなかった。

 本稿執筆時点で、今回の調査について以下のことが分かっている。

  • 米司法省の調査員は、Appleが「iTunes」による影響力をどのように行使しているかについて、4大音楽レーベルと数社のデジタル音楽小売企業の幹部に事情を聴いている。
  • 調査員が関心を持っていることの1つは、Appleが市場を支配していることを利用して、大手レコード会社のうち2社に対し、「MP3 Daily Deal」というAmazonの特別音楽プロモーションへの参加をやめさせようとしたかどうかだ。
  • Appleはこれまで、音楽業界に大きな影響を及ぼしてきた。AppleのiTunesはデジタル楽曲の総売上高の70%を占めており、強大な影響力を持っている。Appleはこの影響力を利用して、供給者である大手レーベルに条件を指示してきた。
    •  少しだけ例を挙げてみよう。大手レーベルは楽曲やアルバムにさまざまな値段をつけたいと思っていたが、Appleは何年にもわたって抵抗した。2005年、音楽業界の幹部が楽曲の値上げを検討したとき、Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏は、大手レコード会社は「強欲になっている」と言った。2009年、Appleはついに、レーベル各社が楽曲の価格を多少調整できるようにした。

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