アップルの音楽業界への影響力--「iTunes」の成功と反競争的行為の可能性 - (page 2)

文:Greg Sandoval(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年06月01日 07時30分

 大手レコード会社は、個別の楽曲ではなくアルバムを販売したいと考えていた。つまり、Appleが人気LPの楽曲を個別に販売するのをやめ、完全なパッケージとして販売することを望んでいた。しかし、この件についても、Appleはほとんど屈しなかった。

 一方iTunesファンにとっては、Appleは自由の戦士だった。Appleは消費者のために立ち上がったと理解されていた。アルバム全体を購入するよう消費者に強制するのをAppleが拒んだことで、消費者は欲しくない楽曲のためにお金を手放さずにすんだ。また、Appleが99セントという楽曲の価格を上げようとしなかったことも、消費者にとっては、同社によって音楽の価格が低く抑えられたということだった。そして米国政府は、このような行為に対して詮索することは1度もなかった。

これは重大な問題か

 しかし、Appleが、音楽を割引価格で提供しようという競争相手の取り組みをつぶそうとしたとして非難されていることは、消費者のためとは見られないかもしれない。

 AmazonのMP3 Daily Dealというプロモーションは、特定の楽曲をリリース日に値下げして、大々的に宣伝するというものだ。Amazonは、一定期間その楽曲への排他的なアクセスを得られるよう交渉することがあり、レーベル各社とアーティストはしばしば、MP3 Daily Dealを自らのウェブサイトで宣伝して支援している。

 音楽業界筋が4月に米CNETに語ったところでは、Appleの幹部はレーベル各社に対し、Amazonのプロモーションに含まれたすべての楽曲はiTunesでのプロモーションの対象にならないと告げたという。ある事例では、Appleは、Alicia KeysのコンテンツがMP3 Daily Dealの一環として宣伝されているのを見て、Sony Music Entertainmentに不満を述べている。

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