アップルの音楽業界への影響力--「iTunes」の成功と反競争的行為の可能性 - (page 3)

文:Greg Sandoval(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年06月01日 07時30分

 BillboardのEd Christman氏が3月に報じたところでは、Appleはレーベル各社に対し、MP3 Daily Dealに対する支援を「考え直す」よう試みたとされている。Christman氏によれば、AppleはEMI Groupの幹部に連絡をとり、Corinne Bailey Raeの「The Sea」、Lady Antebellumの「Need You Now」、Ke$haの「Animal」といったアルバムについて、似たような不満を述べたという。

 iTunesがDOJとトラブルになる可能性を見ていくには、まずAppleの成功について考えなければならない。同社はこの10年で、デジタル音楽プレーヤーの「iPod」と音楽ストアのiTunesによって、世界中の人々が音楽を聴き、保存し、購入する方法を完全に作り変えた。調査会社NPD Groupは米国時間5月26日、Appleの「iTunes Store」は、2010年第1四半期に米国の消費者が購入した音楽すべての28%を占めたと発表した。

 2008年の第1四半期には、iTunesの市場シェアは19%だった。

 Appleがデジタル音楽を支配しているように、ある市場を支配している企業は、独占禁止法に違反していると非難されることがよくある。企業が同程度の規模の競争相手と戦っているときなら、攻撃的な戦術も、単にうまくやっているとみなされるものだ。しかし、大きな市場シェアを持った企業が同じ戦術をとれば、すぐに非難の声が上がることがある。

 もう1つ、Appleが2桁の成長をみせていたのと同じ時期に、Amazonもデジタル音楽市場でシェアを伸ばしていた。Amazonのシェアは、2008年前半の6.8%から、2010年の第1四半期には11.8%に拡大した。MP3 Daily DealがこのAmazonの成長をどれだけ促したか、そしてAppleの何らかの行為がその成長をどれだけ遅らせたか。DOJの調査員は今、このような問いを投げかけているに違いない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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