「Google TV」が示すグーグルの野望--家電業界での成功の可能性を探る - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年05月25日 07時30分

 それは決して確実なことではない。強力で確立された業界は、Googleがやってきてドアをノックしても、それを好まない傾向がある。そして、技術カンファレンスでのデモだけでは(ましてバグの多いものなら)、製品を売り込むことはできない。しかし、「Wintel」の2社独占(覚えているだろうか)が10年間この目標を達成しようとして失敗したあとで、人々がついに耳を貸す準備ができたかもしれないときに、Googleはこの問題に対して自らのやり方で突き進もうとしている。

 では、Google TVとは何だろうか。本質的には、テレビとセットトップボックス向けの「Android」ベースのOSで、何年か前にPC業界が逃した主要な目標の1つ、ケーブルテレビや衛星テレビのコンテンツとウェブコンテンツのシームレスな統合を実現するものだ。

 IntelとMicrosoftは、PCをリビングルームに置いてもらおうとして、ケーブルボックスやデジタルビデオレコーダーと同じような外見に飾り立てようとした。しかし人々は、自分のエンターテインメントセンターに座って映画を冷却ファンの音でかき消すためだけに、完全な機能を備えたPCをもう1台購入したいとは思わなかった。それに、「Windows」ブランドは家電製品ユーザーの心には響かなかった。お気に入りの番組を見ようとしても、起動時間が長くPCの扱いにくさがあるという点が好まれなかったからだ。

 Appleは「Apple TV」で、この海にためらいがちに飛び込み、リビングルーム向けのより小さく目立たないボックスを販売しているが、そのコンテンツ体験を「iTunes Store」の中に閉じ込め、Apple TVプロジェクトにあまり多くのリソースをつぎ込んでいない。最近では、「Boxee」「Roku」「Slingbox」といった多くのデバイスがインターネットのコンテンツをテレビにもたらそうとしているが、それらの製品では、ユーザーは「インターネットモード」と「テレビモード」を選ばなければならず、人々は入力モードを切り替えるボタンを押すことに驚くほど消極的だ。

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