さらに重要なことに、Facebookは、アイデンティティとそのオンラインでのさまざまな形の使用方法という問題を手際よく扱う、ウェブ上のブランドになろうとしている。ここで、多くの批判者が懸念し始める。ウェブの先駆者であるDave Winer氏は、デジタルアイデンティティという概念は単一の企業の支配下にあるべきではないという懸念を表明している。
Winer氏は、21日のブログ記事に次のように書いている。「Facebookのソフトウェアは拡張性があるものと確信している。うまく設計されているのだろう。しかし、Facebookは1つの企業であり、われわれはその方向に進むわけにはいかない。わたしが今言わなければならないのはそれだけだ」
高名なプライバシー擁護者たちは、まだ意見を表明していないとしても、間違いなく、自らの反論をFacebookの「オープン」という信条と比較考量しているはずだ。そして、ユーザーのデータに鍵をかけたままにしておくという、かつては岩のように固かった約束を破ろうとしているとして、間もなくFacebookを非難するようになるだろう。
パブリッシャーにとっても懸念がある。筆者が話したFacebookデベロッパーの1人は、Open Graphの結果としてFacebookがアクセスできるようになるデータの量についてではなく、Open Graphに参加するパブリッシャーが互いに対して得ることになるアクセスの水準について、企業からの懸念を予想していると言う。Open Graphに参加するパブリッシャーは、ある時点では占有していた情報を自発的に解放するだろうし、それに関してFacebookを信頼しているとしても、同じくOpen Graphに参加している競合企業との関係について不安になるかもしれない。
多くの人の頭がくらくらしている。実際、21日にf8で発表された新製品とプラットフォームアップグレードの数々は、Facebookが突然、クモの巣のように新しい方向へ活動範囲を広げ始めたことを意味している。f8のプロモーションロゴの背景にある接続の迷路が、それをよく示している。Facebookが自らをあまりに薄く広げているかもしれないという、もっともな懸念がある。しかし、すべてがFacebookにとってうまくいけば(同社の製品の立ち上げがうまくいかないことが実際にあることを思い出してほしい)、Facebookは恐ろしいほど、ウェブの新時代を促進する力に変質したことになる。
このことを80年代のいかしたアニメに例えて考えるなら、インターネットは「Voltron」で、Facebookはまさにその頭部を形成したということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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