UPDATE Microsoftは米国時間4月13日、悪意あるウェブページの閲覧によって引き起こされる可能性があるWindowsの「緊急」の脆弱性を含む、25件の脆弱性を修復した。またこの日、Adobe Systemsは「Adobe Reader」「Adobe Acrobat」の脆弱性15件に対処し、新しい自動更新サービスを立ち上げた。
またOracleも同日、緊急のパッチ更新をリリースし、多数の同社製品で50件近くの脆弱性を新たに修復した。こうした3社の動きにより、4月13日は特大の「Patch Tuesday」になった。
Microsoftは顧客に向けて、緊急の5件を含むセキュリティ更新全11件をできるだけ早期に適用するよう呼びかけた。ただし、セキュリティ情報のサマリでは、特に優先度が高いものとして3件が挙げられている。
各セキュリティ情報に関連するリスクを詳述した「Security Research & Defense」の項目によると、MS10-026とMS10-027の脆弱性を対象として信頼性あるエクスプロイトコードが開発される可能性が高いという。
Microsoftはまた、エクスプロイトコードが一般で公開された脆弱性に関するセキュリティアドバイザリ2件の調査を完了した。そのうち1件の「981169」は、「VBScript」の脆弱性に関係し、悪意あるダイアログボックスが仕込まれたウェブページをユーザーが訪問してF1キーを押すと、外部からのコード実行とシステムの完全な制御を許す可能性がある。これは3月1日に公開され、古いバージョンのWindowsで「Internet Explorer」を使用している場合に影響する。もう1件の「977544」は2009年11月に最初に公開され、Server Message Block(SMB)プロトコルの脆弱性に関係し、サービス拒否(DoS)攻撃を許す可能性がある。
今回のセキュリティ情報で修復された他の脆弱性には、「Windows 2000 Server」上の「Windows Media Services」にあるセキュリティホール、外部からコードを実行される可能性がある「Microsoft Office Publisher」の脆弱性、「Microsoft Exchange」「Windows SMTP Service」「Microsoft Office Visio」のセキュリティホールが含まれる。
Microsoftは、「MS10-021」から始まるWindows Kernelの更新すべてに影響する技術的な変更を実施したと述べた。これは、OSのカーネルを変更するルートキットプログラム「Alureon」の感染が原因で、2010年2月のセキュリティ更新時に一部システムでクラッシュが起きた問題に対処したものだという。
Microsoft Response Communicationsのグループマネージャー、Jerry Bryant氏はブログ投稿に、今後のカーネルの更新には「Windows Kernelバイナリの異常な状態や改変を検知するロジック」が含まれ、ある状況が検知された場合、アップデートがエラーメッセージをユーザーに返して、インストールを中断すると書いた。このエラーメッセージを目にした顧客は、Microsoftの顧客セキュリティサポートセンターに連絡し、システムにマルウェアがあるかどうかを判断するために支援を求めるよう推奨されている。
Microsoftはまた、「Malicious Software Removal Tool」を更新し、パスワードを盗むトロイの木馬「Win32/Magania」を対象に追加した。
Microsoftの今回の更新に影響を受けるソフトウェアは、Windows 2000、Windows XP、「Windows Vista」「Windows 7」、Windows Server 2003、Windows Server 2008、「Office XP」「Office 2003」「Office 2007」「Office System」「Exchange Server 2000」「Exchange Server 2003」「Exchange Server 2007」「Exchange Server 2010」となっている。
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