米国での発売を前に「iPad」の論評記事が飛び交う中、筆者は敬意を持って顧客に接するという点で、AppleがAmazonから学ぶべき5つの教訓について書いた。しかし、iPadが大きな支持を集めるガジェットになりつつある今、AmazonがAppleから学ぶべき教訓はないだろうか。
もちろんある。
Appleは何をしでかすか予測できない企業であることや、メディアへのアクセスが1つの企業や1つのイデオロギーによって「コントロール」されないことがいかに重要かを考えれば、Appleに対抗できる企業の存在が不可欠だ。願わくは、Amazonが以下の教訓から学んで、Appleが全力を尽くして戦わざるを得ないような接戦を演じてほしい。
率直に言って、「Kindle」(特に初代Kindle)は、デザインが古臭い。ページをめくるボタンがデバイスを握る位置のすぐ下に付いており、まるでAmazonは「操作性」という概念を聞いたことがないかのようだ。
第2世代のKindleはキーボタンが非常に小さく、だいぶ21世紀型になってきた。だがそれでも、iPodのいずれかのモデルや「iPhone」、今ならiPadを手にしたときに感じる、滑らかで宝石を手にしているかのような喜びにはほど遠い。
AppleやApple製ハードウェアを好まない人でも、Apple製品を1度でも見たことがあれば、あるいは触ってみたり手に持ってみたりしたことがあるなら、怪しい興奮を多少は覚えるはずだ。評価に値するものにはしかるべき評価を与えようではないか。Appleの工業デザインは、どういうわけか、脳の快楽中枢に容易に入り込んでくるようだ。
ここにAmazon(そして大半の家電メーカー)が学べることがある。テクノロジに明るい人々は形より機能を選ぶことが多い(両方が手に入らない場合)が、メインストリームのコンシューマーは、手の届く価格であれば、見た目が良い方の製品を選ぶものだ。
Amazonは、すぐにでもKindleの販売を中止して葬り去ろうというつもりがないのなら、これまでよりはるかに美しいハードウェアを作っていく必要があるだろう。単に醜いものを飾り立てたところで無駄だと言っているのではない。このハードウェアは、根本的な部分から人を不快にさせるようなデザインになっているということだ。
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