「ジオロケーション戦争」の行方--巨大企業の動きと新興企業の可能性 - (page 4)

文:Caroline McCarthy(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年03月15日 07時30分

 Brightkiteを照らしていたシリコンバレーのスポットライトが暗くなって久しい。しかし、その間にBrightkiteは200万人というユーザー登録数を達成している(foursquareとGowallaはまだ数十万人だ)。Lawson氏は、現在Brightkiteが目指すのは、そうしたメインストリームユーザーの注目を集めることだと言う。Brightkiteや、さらに言えば、foursquareやGowallaが、そうしたことを自社だけで成し遂げられるのかどうかは分からない。明らかな勝者がいまだ存在しないのはそのせいだ。

 ソーシャルメディアの歴史を見れば、ニッチ製品には外部からの一押しが必要なことがある。MySpaceのうわさが広まったのは、バンドが使っていたためだ。一方で、Twitterは2007年にはマニアたちにヒットしていたが、Oprah WinfreyやCNNなどのブランド力によって「ツイート」が日常語として定着したのは、その2年後だ。ジオロケーションの新興企業には、その「もう一押し」が大規模なパートナーからやって来る可能性がある。例えば、foursquareを宣伝すると発表したBravoがTV広告を流すといったことや、Facebookの巨大な規模によってロケーションベースのソーシャルネットワークがメインストリームに押し上げられるといったことだ。

 ジオロケーションは、これまでウェブが経験してきたどんなこととも違っている。しかし、この分野を支配しようと急ぐことは、ソーシャルメディアでのほかの大きな発展と同じような結果になりそうだ。これまでにあったのは(あるいは今でも進行しているのは)、個人ウェブページ戦争、ブログプラットフォーム戦争、ソーシャルネットワーク戦争、リアルタイムストリーミング戦争、そしてソーシャルゲーム戦争だ。それらの戦争と同様、ジオロケーション戦争では、プライバシーに関する重要で複雑な問題が出てくるだろう。(例えば)Facebookのような企業がサードパーティーのサービスを消滅させるつもりはないと言っても、その言葉を信じられない新興企業にとっては、心配事が増えるだろう。ベンチャーキャピタルや広告費はうまく使われないかもしれない。そして、いずれは勝者が現れる。

 しかし現在のところ、foursquareとGowallaはSXSWiで、Tシャツを無料で配り、無料のバーでビールの栓をひねり、マーケティングパートナー候補を口説いて、注目を集める1週間を楽しむことだろう。両社の幹部は多少酔っぱらうかもしれないが、それは問題にはならないはずだ。長期的に見れば、オースティンでの1週間は大して重要ではないだろうから。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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