これらのメーカーは、何にもまして、タブレットを古典的なノートPCという意味でのコンピュータとして売り込むことは避けるべきだ。DellやHP、Acerのようなメーカーがそういうことをすれば、結局のところ、基本的にはネットブックをもう1台購入するよう人々を説得することになる。ネットブックとは、PCのようではあるが完全なPCではなく、単に従来のPCよりも小さく安価で機能が少ないものだ。消費者は、高度なスマートフォンと安価なネットブックの後で、完全なノートPCではないデバイスをもう1台、本当に必要とするだろうか。
タブレットをタッチスクリーンの付いたコンピュータとして売ろうとするのも賢明でない。なぜなら、これらのメーカーはすべて、多少の例外はあるものの、すでにそれを経験し、実際にやってみたが、あまりうまくいかなかったからだ。IDCによれば、従来の意味でのタブレットが現在のPC市場で占める割合はおよそ1%だという。HPとDellは現在タブレットコンピュータを販売しているが、その対象は、公益事業会社や警察官、保険査定員といったニッチな顧客だ。
すべての家電メーカーがシェアを得ようとしている主要グループ、つまりメインストリームの消費者が、(Microsoftが言う意味での)タブレットコンピューティングが未来だというこれらメーカーの懇願にほとんど耳を貸さずにきたのなら、どうすれば消費者の心を急に変えることができるだろうか。
これらのメーカーがこの問題を解決するためにじっくり考えてこなかったと言うことはできない。Dellは、このデバイスカテゴリを2年間調べてきたと述べており、HPの研究者は、それよりずっと前から、同社の研究所でタッチベースデバイスの改善に取り組んでいる。すでに明らかになっている情報の断片に基づいて、HPがタブレットでどの方向に行こうとしているのか探ることができる。
HPとDellはいずれも、今後登場するデバイスの基本事項を明らかにしているが、価格や内部の詳細については、最低限の情報しかない。両社ともAppleと同じ道を進みたいと思っていないことは、かなり明らかだ。価格については、HPもDellも、iPadを下回る予定だと言っている。iPadの価格は、3G機能の有無とストレージ容量によって、499ドルから829ドルだ。Dellにとっては比較的容易だろう。Dellのタブレット「Mini 5」のタッチスクリーンは、iPadの9.7インチに比べほぼ半分の5インチだからだ。
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