以上が2009年4月21日に開かれたEmojiアドホック会議の内容です。そこでの決定は、日をあらためて開催されたWG 2本会議でそのまま承認されました(議事録(PDF)、pp.30-31)。その結果が『Summary of repertoire for FPDAM7 and PDAM8(PDF)』(N3626)の17ページ以降で確認できます。
前回、絵文字は7番目の追補のグループに入れるかどうかが審議されると説明しました。これはPDAMの段階なので「PDAM7」と呼ばれます(用語については前回の図1を参照)。本会議ではこの中で合意が十分にとれたものだけを抽出してFPDAM7として昇格させる一方で、残った文字と絵文字等のPDAM収録前の文字を合わせて、新たにPDAM8(追補8の草案)をつくることが決まりました。このPDAM8は次回会議までの期間にPDAM投票にかけられた上で、2009年10月26〜30日に開催される東京会議において、FPDAM8として昇格させるかどうかが審議されます(※1)。
前回述べたように、ピーター・コンスタブル(Unicodeコンソーシアム)がEmojiアドホック会議の冒頭で述べた希望スケジュールは、ダブリン会議で絵文字をPDAM投票用の文書に盛り込みたいというものでした。その意味では絵文字のPDAM8収録が決まったことで、次回会議までの間に実施されるPDAM投票にかけることには成功しました。「絵文字互換用文字」や「地域や言語の標識として使われる絵文字」の収録には失敗しましたが、一応目標は達成されたと言えます(※2)。
もし次回にFPDAM昇格を決め、そして2010年4月のマウンテンビュー会議でFDAM昇格、さらに2010年秋のJTC 1総会で承認されれば、ぎりぎり2010年中にISO/IEC 10646収録の目途が立つ計算です。そこまでいけば、晴れてUnicode 6.0に収録できるでしょう。ただし、これからは一つも取りこぼしを許されません。
ここまで説明した、Google・Apple提案からダブリン会議までの符号位置の異同を図にしてみました。凡例で分かるとおり制限の多いものですが、全体の変化を見るには便利でしょう。
(※1/※2)お詫びと訂正 2010年2月8日
読者のgattoさんから、絵文字は最初からPDAM7に入っていたわけではない旨のご指摘をいただいた。まことにその通りで、筆者の見落としだった。ご指摘に感謝するとともに謹んで訂正します。なお、「※2」も同氏のご指摘にもとづく訂正であり、同様に第5回、第6回の該当部分も訂正したことをお断りします。
※1 訂正前
前回、絵文字は7番目の追補のグループに入っていることを説明しました。これはPDAMの段階なので「PDAM7」と呼ばれます(用語については前回の図1を参照)。本会議ではこの中で合意が十分にとれたものだけを抽出してFPDAM7に昇格させ、残りは新しく提案されたレパートリと共に、新たにつくられるPDAM8に編入させることが決まりました。ちなみに絵文字はPDAM8の方です。これは次回会議までの期間にPDAM投票にかけられた上で、2009年10月26〜30日に開催される東京会議で、再びFPDAMに昇格させるかどうかが審議されます。
※1 訂正後
前回、絵文字は7番目の追補のグループに入れるかどうかが審議されると説明しました。これはPDAMの段階なので「PDAM7」と呼ばれます(用語については前回の図1を参照)。本会議ではこの中で合意が十分にとれたものだけを抽出してFPDAM7として昇格させる一方で、残った文字と絵文字等のPDAM収録前の文字を合わせて、新たにPDAM8(追補8の草案)をつくることが決まりました。このPDAM8は次回会議までの期間にPDAM投票にかけられた上で、2009年10月26〜30日に開催される東京会議において、FPDAM8として昇格させるかどうかが審議されます。
※2 訂正前
つまりダブリン会議では絵文字はFPDAM昇格が見送られたのです。Emojiアドホック会議の様子から、さらなる審議が必要と判断されたのでしょう。実装を急ぎたいUnicodeコンソーシアム/アメリカNBとしてはちょっと残念ですが、想定の範囲内ではあります。前回述べたように、ピーター・コンスタブル(Unicodeコンソーシアム)がEmojiアドホック会議の冒頭で述べた希望スケジュールは、絵文字をこのダブリン会議で投票用文書に盛り込みたいというものでした。その意味ではPDAM8に入ったことで、次回会議までの間に実施されるPDAM投票にかけられることはできたわけで、一応目標は達成されたと言えます。
※2 訂正後
前回述べたように、ピーター・コンスタブル(Unicodeコンソーシアム)がEmojiアドホック会議の冒頭で述べた希望スケジュールは、ダブリン会議で絵文字をPDAM投票用の文書に盛り込みたいというものでした。その意味では絵文字のPDAM8収録が決まったことで、次回会議までの間に実施されるPDAM投票にかけることには成功しました。「絵文字互換用文字」や「地域や言語の標識として使われる絵文字」の収録には失敗しましたが、一応目標は達成されたと言えます。
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