複数の市場調査会社の集計データが示すところでは、世界の携帯電話販売市場は2009年第4四半期(10-12月期)に勢いを取り戻し、落ち込みを見せていた携帯電話市場に回復の兆しが見えてきたかもしれない。
Strategy Analyticsは、2009年第4四半期中の世界の携帯電話出荷台数が、前年同期に記録した約2億9380万台より10%増加して、3億2440万台に達したことを明らかにしている。これは、同市場では2008年第3四半期(7-9月期)以降で初の増加である。
他の調査団体も、同じような傾向の観察を発表している。ABI Researchは、2009年第4四半期中の携帯電話出荷台数が、前期比で約15%増の伸びを見せたと伝えている。
しかしながら、厳しい市場競争によって平均販売価格は低下しており、ABI Researchによれば、2009年第4四半期中の平均販売価格は2%減となる117.55ドルに落ち込んだという。
Nokiaおよびサムスンは、同四半期に市場シェアを増加させた。Nokiaの市場シェアは、37.7%へと拡大した。また、サムスンの市場シェアは20.5%に伸びた。
同市場で大きく成長したのは、Nokiaとサムスンだけではない。他の携帯電話メーカーも出荷台数の増加を記録している。LG Electronicsは、第4四半期としては過去最高の出荷台数となった。人気を集める「iPhone」のメーカーであるAppleは、前年同期のほぼ倍の出荷台数を報告した。Appleは2009年第4四半期中に約870万台のiPhoneを出荷したのに対して、前年同期の出荷台数は約440万台であった。
しかしながら、中には問題に直面した携帯電話メーカーもある。ABI Researchによれば、Motorolaは2009年に製品ラインを一新したにも関わらず、市場シェアの維持に苦しんでいる。Sony Ericssonも市場シェアを減少した。
複数のアナリストが、2009年第4四半期に消費者マインドが改善し、いつでもインターネットにアクセス可能なスマートフォンの需要が増大しているため、出荷台数の増加につながったと分析している。
とはいえ、2009年を通じては、携帯電話の年間出荷台数が前年比約4%減に落ち込んでいる。だが、2009年末を好調に終えたため、再び消費者による支出が回復し始めており、業界は最悪期を脱したとの見方が示されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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