矢野経済研究所は11月20日、「国内携帯電話市場に関する調査結果 2009」を発表した。出荷台数は2009年度を底に、今後は成長へ転じるという。
この調査は7月から9月、国内移動体通信サービス事業者、国内携帯電話メーカー、半導体メーカー、業界団体などを対象に、同社専門研究員による直接面談、電話およびメールによるヒアリング、文献調査の併用で実施したもの。
調査結果によると、2008年度の国内市場における移動体通信端末の出荷台数は前年度比26.1%減の3989万7000台となった。減少の理由として、(1)加入者数が1億1000万を超え飽和状態にあること、(2)販売奨励金が廃止され端末価格が上昇したこと、(3)割賦契約の増加に伴う買い替えサイクルの長期化が進んだこと、(4)機能面の成熟化が進み、買い替えをうながす要素が乏しいこと――などを挙げている。
2009年度の出荷台数は前年度比5.8%減の3757万台となる見込み。2008年度と同様に、市場環境の変化に伴う買い替え需要の冷え込みが続く見通しだ。ただし、スマートフォンやデータ通信端末などは数少ない成長カテゴリであるという。
また、2009年度を底に来年度以降は微増に転じると矢野経済研究所はみており、2012年度の市場規模は2008年度比2.9%増の4105万台と予測している。その背景にはワイヤレスブロードバンド市場の伸張が挙げられ、特に新規事業者の参入と既存事業者の次世代サービス開始によってモバイルデータ通信サービスの加入者増加が期待されるとのことだ。
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