そのことに関連して言えば、27日にJobs氏がiPadを発表したときその場にいた人たちのほとんどのような、これがすべてを変える魔法のデバイスになると考えていたテクノロジに明るい人々の、iPadに対する初期の反応には、何か言外の意味がある。TwitterやFacebook、さまざまなブログが、このデバイスにできないことについての否定的な反応で溢れているのを、見た人もいるかもしれない。このようなAppleのイベントによってもたらされる大騒ぎと期待はずれの繰り返しについても書かれるべきだが、それは別の話だ。もっと重要なのは、iPadの機能と技術的仕様が示していること、つまり、Appleが自らのやりたいことをしようとしているということだ。
iPadに対して、HDMI出力ポートの採用や、Flashのサポート、複数のアプリを同時に走らせることを口うるさく求める人たちのことを、Appleはどうやら気にかけていないようだ。iPhoneで取り外しのできないバッテリを採用し、MacBookからFireWireを取り除き、光沢画面を標準にして、我が道を行っているのとまったく同様だ。AppleがiPadで対象としているのは、ブラウザの標準にこだわるようなマニアたちではなく、その母親たち、つまり、次に飛行機に乗るときに、電子書籍をカラーで読んだり、電子メールをチェックしたり、「グレイズ・アナトミー」を見たりできればよいと思うような人たちだ。
このデバイスに購入する価値があるかどうかを判断するのは、米CNET Reviewsのハードウェアの専門家にまかせるとして、いずれにせよ明らかなことは、このデバイスがAppleにとって、始まりであると同時に終わりでもあるということだ。同社は、新しい製品カテゴリと新しい分野の事業によって、メディアに関する野心の範囲を完結させた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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