現在、キャリア各社は携帯電話メーカーおよびOSベンダーと三者間契約を締結し、自らのネットワーク上で携帯電話を独占的に販売している。キャリアが望んでいることは、市場で最も魅力的な携帯電話を手に入れて、できるだけ多くのユーザーにデータサービスを含む2年間の契約を結んでもらうことだ。Googleが提案しているのは、ユーザーが自宅にいながらにして、携帯電話を選び、それとは別にキャリアを選択するというビジネスモデルである。
言いかえれば、それはPCの購入と同じような感じになるだろう。ComcastはDellと独占契約を結んでいないので、DellのPCを手に入れたいユーザーが、そのPCをComcastから購入して2年間のケーブルモデム利用契約を結ぶ必要があるということはない。そうなれば、ワイヤレスキャリアは、人気機種の独占契約ではなく、価格やネットワーク品質で競争しなければならなくなるだろう。
Googleの主張によれば、これこそがPCベースのインターネットを繁栄に導いた要因であり、モバイルインターネットがそれを再現するには、誰かがキャリアと携帯電話メーカー、ソフトウェアプロバイダーによる行き詰まりを打破する必要があるという。
しかし、それはうまくいくのだろうか。結局のところ、Googleは現時点で、ある意味同社が非難しているのと全く同じことをしようとしている。すなわち、Googleは単一のキャリアと結びついた排他的なチャネルを通して、魅力的な携帯電話を提供しようとしている。2010年の春、Nexus OneはVerizonのネットワークでも利用できるようになる予定だが、ロックされていないCDMA携帯電話(Verizonの技術)を販売するのは難しい。なぜなら、GSM系列の規格に基づく携帯電話に見られる取り外し可能なSIMカードを採用していないためだ。その携帯電話はVerizonの2年契約とセットで提供される可能性が高く、Verizonは5日、同機種をGoogleのストア以外の場所では販売しない考えであることを認めた。
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