GoogleはもちろんNexus Oneに自信を持っている。だが、Googleがこの携帯電話を製造したわけではない。Nexus Oneはいずれにしても、せいぜい現行世代Android携帯の穏当な改良版といったところだ。
Nexus Oneの開発経緯に詳しい消息筋によると、Nexus Oneは、HTCが2008年に買収したサンフランシスコのデザイン会社One & Coの従業員が設計したという。GoogleでAndroidを手がけるエンジニアリング担当バイスプレジデントで、このプロジェクトのリーダーであるAndy Rubin氏は、イベントの後でGigaOMに対し「わたしのチームには、ハードウェアの設計者も工業デザイナーもいない」と語っている。5日のイベントまでは、GoogleはNexus Oneを自社で設計したと広く報じられていた。同社のソフトウェアと合わせるためにハードウェア要件は指定したかもしれないが、それは携帯電話を設計するのとは違う。
よって、Rubin氏が2009年10月から言い続けているように、Googleは独自のハードウェアを製造しているのではない。だが、当時するつもりがないと同氏が主張していたことの2つ目を、同社は結局やろうとしている。すなわち、以前は顧客と見なしていた企業と競争することだ。
T-MobileとVerizon WirelessはNexus Oneのローンチに参画しており、Googleとこれらパートナー企業との関係は順調なように見える。Androidは無償製品だが、パートナー企業は、この時点までは事実上、Androidの最終顧客だった。しかし、間違ってはいけない。Googleの究極の目標は、MotorolaやHTCのような企業が最高のAndroid携帯端末を作り、それを仮想ショッピングセンターのようなところで販売し、そこではT-MobileやVerizonのようなキャリアがユーザー獲得をかけて競争するというビジネスプランを作成することだ。
実際、前述した記事のOm Malik氏の情報筋によると、MotorolaとVerizonは、舞台裏ではNexus Oneの発表までに予想されていたように腹を立てていたという。それは、Nexus Oneに関するGoogleの計画と今後のNexus One携帯が、スマートフォン市場の中心部を切り取ることになるからだ。
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