シャープ、第10世代マザーガラス工場など「グリーンフロント堺」を披露

加納恵(編集部)2009年12月01日 12時20分

 シャープは11月30日、液晶パネルと太陽光発電装置などの製造を手掛ける、大阪府・堺市の工場「グリーンフロント堺」の見学会を開催した。10月1日から稼働した液晶パネル工場や、エネルギーを一括管理する統括エネルギー管理センターなどを紹介した。

 敷地内にはシャープの液晶パネル工場、太陽電池工場のほか、凸版印刷や関西電力、大阪ガスなど19社が進出している。敷地面積は127万平方メートル。この中にカラーフィルタエリア、ガラスエリアなどを持つ。対岸には関西電力が手掛ける7.3区太陽光発電システムが設置される予定だ。

 すでに10月1日から稼働している、液晶パネル工場では世界最大サイズとなる第10世代マザーガラスを製造しており。ガラスサイズは2880mm×3130mm。40型以上の大型液晶パネルが生産されている。

代表取締役副社長の濱野稔重氏 代表取締役副社長の濱野稔重氏

 将来的には月産7万2000枚にまで増産できるとのこと。増産時期においては「早ければ2010年の10月ごろを予定している。年末商戦に間に合うタイミングで展開したい」(代表取締役副社長の濱野稔重氏)との意向を明らかにした。

 一方、太陽電池工場は、2010年3月の稼働を予定している。薄膜シリコン太陽電池を主に生産し、生産能力は第1次生産展開で480メガワット。最大の生産能力は1ギガワットになるとのことだ。

 液晶パネルと薄膜太陽電池を手掛けるグリーンフロント堺では、薄膜技術を水平展開することで、技術を共有化するという。

 工場内の照明にはLED電球が使用されるなど、省エネぶりは徹底しており、施設内には「統合エネルギー管理センター」を設置。ここでは、敷地内各工場の電力をはじめとするエネルギーと圧縮空気や窒素ガスといったユーティリティを集中管理することで、年間4万8000万トンものCO2削減効果が得られるとのこと。

 また、亀山工場ではトラックを利用している施設内の搬送システムを、それぞれの棟間に直接部品、製品を搬送できる「棟間搬送システム」を導入し、「1つの工場を移動するかのようにスムーズに搬送できる」(濱野氏)ようにした。このシステムにより、CO2は亀山工場に比べ年間約3300トン削減できるという。

 工場内には大規模太陽光発電を設置し、工場内の電力の一部を賄う仕組みも組み込まれている。太陽光発電はグリーンフロント堺で最大約18メガワット(当初は約9メガワット)、対岸に設置される関西電力の発電出力と合わせ、合計28メガワットとなる。

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