ニューヨーク発--先々週開催のWeb 2.0 Expoカンファレンスで、Diggの創業者Kevin Rose氏を追いかけたいという人には、選択肢が2つあった。1つは、米国時間11月16日の夜に、トレンディーなStandard Hotelのロビーにあるバーに行くことだ。そこでは、ニューヨークの一流ブロガー数十人の勘定をDiggが支払っていた。もう1つは、17日の夜に、約1000人の若いニューヨーカーたち(そのほとんどが男性)に混じって、Manhattan Center Studiosに詰めかけることだ。そこでは、Rose氏とAlex Albrecht氏が司会するインターネットテレビ番組「Diggnation」の公開収録が行われていた。
この2つは結局、Diggの2つの顔だ。まず、企業としてのDiggがある。ニューヨークの新旧のメディアが「ソーシャルニュース」という言葉を口にするきっかけとなった社名であり、ぼさぼさの髪のRose氏をデジタルメディアの寵児として位置付けたBusinessWeekの特集記事であり、そして、最高経営責任者(CEO)のJay Adelson氏が同社は売り物ではないとしてコメントを控えるなか、Current MediaやNews Corporation、はてはGoogleといった企業による大型買収の対象としてかつて話題になった新興企業としてのDiggだ。しかしもう1つ、ブランドとしてのDiggがある。ウェブで最も奇抜なものが集まる場所であり、フロントページは、Appleに関するあらゆる情報、風変わりな科学、テクノロジや政治に関する裏話、話題の最新YouTube映像で占められている。これはいわば二重人格で、業界にとっても、また設立から5年たった同社自身にとっても、2つの人格を統合することは難しいようだ。
Web 2.0 Expoで、2つのDiggとその緊張関係が完全にあらわになったのは、17日午後に行われたAdelson氏とRose氏による共同基調講演だ。両幹部はいずれも、Diggは変わらなければならないと主張した。
壇上でAdelson氏は次のように述べた。「現在Diggには約4000万人のユーザーがおり、Diggシステムには1日約2万件の投稿がある。Diggは確かに、非常に大きなことを成し遂げた。これはわれわれが目指していたことだが、先はまだ長い」
Rose氏が次のように付け加えた。「ここ2〜3年の間、われわれはほとんど変化していない」
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