Microsoftは先週、いくつかのブラウザテクノロジを披露した。これにより、Internet Explorer(IE)が競争で一歩先を行く可能性がある。しかし、Mozilla Foundationが同団体の希望を実現させた場合、Microsoftは逆に後を追いかけることになるかもしれない。
問題となっているテクノロジは、グラフィックスとテキストに対するハードウェアアクセラレーションで、これはグラフィックカードの演算性能を容易に利用できるようにする「Direct2D」および「DirectWrite」と呼ばれるインターフェースを使用する。これらは「Windows 7」に組み込まれており、Microsoftは「Windows Vista」でも採用しようとしているが、「Windows XP」で採用する予定はない。
Direct2DとDirectWriteによるパフォーマンスの改善は、Microsoftが先週行った「IE 9」の新機能を披露するデモの目玉だった。オンライン地図がスクリーン上に素早く現れ、マウスの動きに対する応答性も高かった。テキストはより鮮明になり、サイズの変更もより滑らかだった。
しかし、Microsoftのデモと同じ日、MozillaのエバンジェリストChris Blizzard氏は次のようなコメントをTwitterに投稿した。「興味深いことに、われわれもFirefoxでDirect2Dをサポートしようとしている。われわれの方が先にこれを世に出すとわたしは確信している」
同氏の主張を裏付ける制作物がある。Mozillaでそれを主導しているプログラマーBas Schouten氏は米国時間11月22日、Direct2DとDirectWriteを使用したFirefoxのプロトタイプを投稿した。
ただし、勝利を誇ろうと思ったFirefoxファンがいるなら、その人は用心するべきだ。Mozillaは、このテクノロジを組み込むと確約しようとはしなかったし、ましてや、2010年前半に予定されているFirefox 3.7のようにリリースの日程を確約することはなかった。Mozillaは声明の中で次のように述べている。「現在、Firefox向けにDirect2Dを詳しく調べているところだ。しかし現時点では、Firefoxにこれを組み込むことを目標にしていない」
Microsoftはこの件に関してコメントを控えており、今後登場するIE 9の機能についての先週のブログ記事を参照するほかない。同社は、「われわれはまだ製品サイクルの初期段階にあるが、開発者に対し、われわれのアプローチとこれまでの進行状況を明確に示したい」と述べ、Direct2Dのデモビデオを公開している。
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