この新しいインターフェースの潜在的なメリットとWindow 7の商業的な成功を考えると、競争がすでに始まっていることは間違いない。Microsoftは社内の開発者を焚きつけているが、同社のブラウザはここ数年、技術面の多くでFirefoxをはじめとするライバルに後れを取っている。また多くのウェブ開発者は、いまだ広く使われているIEの旧バージョンを嫌っている。IEの市場シェアは全体としては優勢だが、着実に侵食されている。
このインターフェースが注目されていることで、Googleでもアイデアが生まれようとしている。「Google Chrome」のプログラマーPeter Kasting氏は、11月22日に登録したChromeの課題の中で、この話題に関するSchouten氏のブログ記事を「動機」として紹介した。
Kasting氏は「もしレンダリング時間を短縮できるなら、最も目につく利点はおそらく、スクロールがスムーズに感じられることだろう」と言う。同氏はまた、10月に、ChromeでのDirectWriteのサポートについても注意を向けているが、現在の同ブラウザの、セキュリティのためにブラウザの要素を隔離する「サンドボックス」設計では、これは動作しないかもしれないとただし書きをしている。
Mozillaにも披露すべき独自の成果がある。Schouten氏は、さまざまなウェブページを表示する際のパフォーマンスの改善を示すグラフを提供した。Facebook、Google、Twitterは、Direct2Dを使用することにより、半分の時間でスクリーン上にレンダリングされた。SlashdotとWikipediaのエントリはほとんど変わらなかった。移動およびサイズ変更可能なグラフィックスを表示するためのScalable Vector Graphics(SVG)形式を使った負荷の大きいページの1つは、11ミリ秒から4ミリ秒以下と2倍を超える速さを示した。
Direct2Dは、Windows XPで使われていたGraphics Device Interface(GDI)という旧式のテクノロジに替わるものだ。どちらも、ビデオカードの性能や設定の詳細を気遣うことなく、プログラムが演算用ハードウェアを利用できるようにするためのものだが、Direct2Dはハードウェアアクセラレーション機能を利用する。
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