「モンスターテレビ」と評されるテレビが、この10月東芝から発表された。HDD容量は3Tバイト、14基のデジタルチューナーを備え、26時間×8chの丸録りを実現するという桁違いのスペック。そしてプロセッサには、Cell Broadband Engineを採用した。
世界初のCELL搭載テレビ「CELL REGZA 55X1」を発売する東芝に、4年を費やしたという開発の道程とCELL REGZAの登場がテレビ市場にどんな変化をもたらすのかについて伺った。
本村:テレビであることに変わりはないのですが「中身」と「コンセプト」は全く違います。CELL REGZAは、「テレビって進化していくとこういう風になるべき」という理想をそのまま具現化したテレビなんです。画質、録画、ネットワーク系まで含めて、テレビにとって今後数年のベストであるところまで、CELLを入れることで実現しています。
開発のベースにあるのは、社長の大角(正明氏)が発表会でも申し上げた通り、テレビってワクワクするもの、感動してもらうものなんですよ。そうした思いをCELLで作ったら「究極にワクワクするテレビになった」というのがCELL REGZAです。
本村:違いましたね。普通は「こんなテレビを作ろう」と考えてから、デバイスや機能をつめていくんですが、CELL REGZAは順番が逆。CELLを使って映像系の機器を作ったら何ができるんだろうというのが出発点でした。
最初はCELLを使って作るのは、ちょっと無理があるかなと思っていたんです。2002年か2003年くらいの話なんですが、当時の環境下において、テレビにこれだけの高速処理は必要なかった。しかし、テレビにネットワークが内蔵される時代が見えてきて、同時に録画文化が育ってきた。それともう1つ、画質はソフトウェアで高画質化できるということがわかってきたんです。
もともとREGZAの高画質を実現しているのは半導体「メタブレイン」に負う部分が大きい。現行のREGZAでもソフトウェアで絵作りをしていて、1画素1画素で画像を解析して、画質を調整する「ヒストグラム・ダイナミックガンマ」などは、高画質処理専用のCPUを用いているんですね。その処理を究極にまで向上、拡大させ高画質化処理したのがCELLなんです。
本村:今でもオーバースペックなんですけど(笑)。4年くらい前から急速にテレビを取り巻く環境が変わってきて、これならばCELLが使えるのではないかと思うようになりました。
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