筆者は、「Windows 7」と「Mac OS X」という2つのプラットフォームを仕事で、そして、個人的にも使用している。そのようなユーザーとしては、Windows 7のRTM版(同OSの最終ビルド)を初めて手にしてからの2カ月以上、両OSのパフォーマンスを比較したいという気持ちを持ち続けてきた。だが、両OSを同一条件で比較できるようになるまで待とうと決心していた。
どうやら、その時が来たようだ。Snow Leopardは、発売後しばらく経過しており、さらに10.6.1へとアップデートされている。Windows 7は、OEMベンダーへと配布されてから約3カ月が経過しており、いくつかのアップデートもあった。さらに「Boot Camp 3.0」では、Mac上でのWindowsの稼働がこれまでよりも良くなっているようだ。
ただし、明確にしておかなければいけないのは、Boot Campは仮想環境ではなく、簡単に言えばネイティブのWindowsドライバ(同OSをハードウェア部品で適切に動作させるためのソフトウェア)の集まりだ。これらのドライバには、チップセット、ビデオ、ネットワークなどが含まれる。実際、部品メーカー(またはWindowsのアップデート)から、これらドライバの大半は得ることができる。しかし、Boot Campは、ウェブカメラ「iSight」、キーボードバックライト、マルチタッチマウスパッドなどAppleの独自ハードウェア用のドライバも含んでいる。そのため、この既に集められているドライバを利用した方が、個別にドライバを探すよりも良い。
透明性のために(読者の多くは、どちらか一方のOSに情熱を傾けていると思うので)、どのようにテストを実施したか明らかにおきたい。特に難しいことはしていない。必要なのは、優れたストップウォッチ、「MacBook Pro」そして多くの時間だけだ。
しかし、次の点において注意が必要だ。この記事で紹介しているテストは、いくぶんケーススタディ的だということだ。理由としては、テストが1台のコンピュータだけで実施されているため、そして、ある程度において、米CNETレビュー担当者がコンピュータをテストするために通常利用しているのと手法が異なっているためだ。
最初に、テストマシンは、2.5GHz Intel Core 2 Duo、4GバイトRAM、512Mバイト NVIDIA GeForce 9600M GTビデオカードを搭載する15インチのユニボディMacBook Proだ。同機は2008年モデルで、着脱可能なバッテリを装備し、SDカードスロットは搭載していない(このマシンは、容量は増加しているが着脱不可能なバッテリを搭載しているモデルとは異なる)。
Mac OS X Snow Leopardのインストール先は標準的な320Gバイトのハードドライブ(日立の「HTS543232L9SA0」モデル)で、64ビット版Windows 7のインストール先は320GバイトのWestern Digitalの「WD Scorpio Blue」(「WD3200BEVT」モデル)だ。筆者が64ビット版Windows 7を選択したのは、Appleが、Snow Leopardは付属アプリケーションのほとんどが64ビットコードで構築されている純粋な64ビットOSになった、と主張しているためだ。
これら2つのハードドライブはスペックがほぼ同じだ。いずれも、SATA 3Gbpsインターフェースをサポートし、キャッシュメモリは8Mバイトで、回転速度は5400rpmだ。筆者は、各OSにそれぞれ専用のハードドライブを割り当てるため、新品のハードドライブを使用し、パーティションは1つのみとした。このコンピュータは、2つのハードドライブを入れ替えるだけで、MacからPCになったり、元に戻ったりすることができる。現実的な使用方法はこれと異なり、Snow Leopard内から「Boot Camp Assistant」を実行してWindows用の新しいパーティションを作成し、1台のハードドライブ上で両OSを利用することができる。
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