イスラエルのハイファにあるYahoo Labsオフィスの責任者に最近就任した検索エキスパートのYoelle Maarek氏は、それでもなお、最近の競争の場は表示方法にあると主張する。「ランキングでわれわれが伸び悩んでいるとは言いたくない」が、Googleの「PageRank」が登場した後に起きた進歩は、ユーザーに向けた検索結果の表示方法を改善できる余地と比べると、比較的小さいものだと同氏は言う。
Maarek氏はGoogleからYahooに移ってきた。Googleでは「Google Suggest」などフロントエンドの検索結果表示方法強化の開発に携わっていた。同氏から見ると、この10年間で、ウェブページを巡回し、インデックスを作成し、ユーザーに表示する方法には革命がもたらされたという。Googleが明らかな勝者となった革命だ。
しかし同氏は、これからの10年間は、検索はユーザーの意図を推測し、検索結果の提示方法を改善することに重点が置かれるようになると主張する。「現在差別化をもたらしているのは、現実の使用だ。人々がクエリをどのように入力するか」、そして、そのクエリを入力した際に本当は何を意味しているのかだ、と同氏は言う。
Search Engine Landのエディターであり、検索業界を長く観測しているDanny Sullivan氏によれば、Yahooにとっての潜在的な問題は、検索結果表示におけるこれまでの革新が実際には何も変えられなかったことだという。
Sullivan氏は2006年の「Why Search Sucks & You Won't Fix It The Way You Think」と題した記事で、ウェブ検索の歴史の中で行われてきたさまざまな試みのスクリーンショットをまとめ、ウェブユーザーには「クエリを入力して、検索ボタンをクリックし、一覧を生成する」という単純なやり方が非常に深く根付いているため、この使用パターンに手を加えようとする試みは失敗に終わることを示した。同氏は先週、3年たった今もあまり変わっていないと語った。
Microsoftと提携した後のYahooの目標が、検索広告への投資を守るため、検索ユーザーをYahooのページにとどめておくことだとしたら、検索結果の表示方法に重点を置くことは、その目標を達成する上で、必ずしも最良の方法ではないとSullivan氏は言う。同氏は「表示方法がより重要になるとは思わない。ブランドがより重要になると思う」と語り、Microsoftが表示方法の改善だけでなく、「Bing」のイメージを向上するために世界に向けた大規模なマーケティングキャンペーンにも投資を行う決定を下したことを指摘した。
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