さらに、Googleは検索事業のバックエンドとフロントエンドの両方を手がけており、おそらくGoogle社内ではYahooよりも多くの人が表示方法に携わっているだろうとSullivan氏は言う。「(Yahooが)もし魅力的で本当に独自性のある機能を開発できたら、効果があるかもしれない。ただし、Googleにまねされてしまうだろう」
いずれにしても、Yahooは、Microsoftとの提携手続きが完了するまでは検索に見切りを付けることができない。Maarek氏は、Yahoo Labs内ではバックエンドの検索開発作業が進められていると語る。「ユーザーを落胆させたくない。Bingに置き換わるまでは、われわれは良い仕事をする必要がある」
Microsoftと提携した後の検索業界におけるYahooの目標は、単なる現状維持であって、「Yahoo Sports」や「Yahoo Finance」のユーザーがBingとYahooの組み合わせに対して興味を失い、Yahooのサイトから完全に離れてGoogleで検索することのないようにすることだ。Yahooで行われる検索の圧倒的多数は、Yahoo.comに直接アクセスする人やブラウザの検索ウィンドウにYahooを設定している人ではなく、既にYahooのサイト内にいる人々によって行われている、とBartz氏は何度も語っている。
検索結果の表示方法に関して飛躍的な進歩が起こる可能性は十分あるだろうが、それが、Yahooの幹部が主張するように、GoogleとMicrosoftに対する競争上の脅威となるだろうか。Yahooが新しい時代に移行するにあたって、これはまだ答えの出ていない熟考すべき問題だ。
しかし今のところ、Yahooはまだ検索プロバイダーの中で競争力を持っていると強く主張できる3億5900万ドル分の理由がある。この金額は、Yahooが2009年第2四半期に自社が所有し運営するサイト上の検索広告から得た売り上げだ。Microsoftとの提携手続き完了が予想よりも長引いた場合、Yahooは全売り上げの4分の1近くに当たる金額を減らすわけにはゆかない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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