PCの製造販売事業者にとっては、依然として厳しい状況が続いている。
世界のPC出荷台数は2009年第2四半期(2009年4-6月期)に前年同期比で2.4%減となり、出荷額ベースでは前年同期比19.1%減を記録したことが、IDCによって米国時間9月16日に発表された調査リポートで明らかになった。
IDCの「Worldwide Quarterly PC Tracker」リポートによると、ますます多くの人々がノートPCを選択するようになっており、その影響を受けて、デスクトップPCの出荷台数は2009年第2四半期に17%減少したという。コンシューマー向けのノートPCやネットブックに限るならば、世界全体の出荷台数は前年同期比で44%増となり、唯一の好調ぶりを見せている。2008年第2四半期には前年同期比28%増を記録していた。
しかしながら、このノートPCの好成長にはコスト面での犠牲も伴っている。従来のノートPCの出荷台数は前年同期比で13%増とはなったものの、出荷額ベースでは前年同期比6%減となっている。
ネットブックは前年同期比で25%近い出荷台数の増加を記録し、市場における高い人気が示されている。2008年第2四半期には前年同期比で5%増の出荷台数にとどまっていた。とはいえ、このネットブック人気のトレンドにより、従来のノートPCの平均販売価格が900ドルであるのに対して、ネットブックは約400ドルに抑えられているため、世界全体では出荷額ベースで減少を記録する結果に終わっている。
一方、IDCは今後の見通しに関して、出荷台数と出荷額ベースの両面で市場は回復期に入り、状況は好転するとの予測を示している。デスクトップPCの出荷台数は2010年も変わらないと予測されているものの、同リポートでは、ノートPCの出荷台数が2010年に16.5%増の伸びを見せると発表された。
ネットブック市場の成長は今後も続きそうである。だが、CULV(Consumer Ultra Low Voltage)タイプのプロセッサを採用する軽量で薄型のノートPCが人気を博することで、ネットブックの市場シェアは縮小される可能性もあり、それによってPC市場全体では出荷額ベースでの成長が押し上げられるだろう。
IDCのWorldwide Quarterly PC Tracker調査アナリストであるJay Chou氏は「ミニノートPCは従来のノートPCのマージンを奪ってはきたものの、IntelやAMDがリリースする新たな低消費電力プロセッサがベースとなった超薄型のノートPCの普及が、このトレンドを変化させるとの期待を抱くこともできる」と述べた。
より長期的なスパンで見るならば、ノートPCの出荷台数は2013年まで年間平均17%の成長率を記録し、これにより、世界のPC出荷台数は11%増の伸びを、出荷額ベースでは約5%増の伸びを続けていくとの予測が出されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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