新たに発表されたGartnerの調査リポートによれば、景気後退および為替相場の大変動の波を受けて、世界のIT支出は、2009年に6%の減少になる見通しだという。
2008年の支出額は、3兆4000億ドルだったのに対して、2009年の支出額は、3兆2000億ドルにとどまる見込みである。2008年のIT支出額は、前年比6.2%増の上昇を見せていた。
この不況の影響で、新たに予測された6%の減少は、同社が3月に当初発表していた、3.8%の減少という予測と比較しても、さらなる下方修正を強いられることになった。
Gartnerの世界調査予測部門を率いるRichard Gordon氏は米国時間7月7日に声明で、「世界的な景気停滞には、やや改善の徴候も見られる中で、依然として、2009年のIT支出削減は続いており、多くの消費者が、財布のひもを緩めても大丈夫だと確信できるようになるまでには、もっと長い時間もかかりそうである」と述べた。
2009年のIT支出の減少は、Gartnerが調査対象としている、ハードウェア、ソフトウェア、ITサービス、電気通信という、主要なITセグメントの全4部門に及んでいる。ハードウェア部門の支出額が、16.3%減という、最も大きな落ち込みが予想されているのに対して、ソフトウェア部門の支出額は、わずか1.6%の減少にとどまると予測されている。
一方、Gartnerは、参考までに、今回の全4部門での減少が、2001年に記録した大幅な減少以来、初の出来事であることも明らかにしている。
とはいえ、同社は、世界経済が復調を遂げるにつれて、世界のIT支出も、2010年には2.3%の増加へと急速に転じると見られるとの予測も示している。Gartnerは、全体的に見るならば、IT支出額は、2008年から2013年にかけて、年平均1.9%の割合で成長していくとの予想を発表した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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