カラー、スクリーン解像度、バッテリ、Wi-Fi、ウェブカメラは全く同じだ。そしてどちらも光学ドライブを内蔵していない。違いはかなり少ないが、まとめると、11zノートPCはスクリーンのサイズが1.5インチ大きく、より性能の高いCeleronプロセッサを搭載、メモリが1Gバイト多く、ハードドライブ容量が大きい、ということになる。さらに「Windows Vista」搭載のノートPCを購入することにより、自動的に「Windows 7」への無料アップグレードが付く。XP搭載のコンピュータでは、「Windows 7 Home Premium Edition」を入手するのに約100ドルかかる。
スペックがあまりに似ているため、一般的な購買客は、一方がもう一方よりどこがよいのか分からずに混乱しそうだ。そしてDellによる11zの紹介方法では、この問題は解決されていない。Dellのオフィシャルブログには、「Inspiron 11zはネットブックの携帯性とノートPCの性能を融合させた」と記されている。
スペックと性能が基本的に同じで、サイズ(両方とも厚さ1インチ(約2.5cm))と重量(11zは3ポンド(約1.36kg)、Mini 10は2.6ポンド(約1.18kg))も基本的に同じだとしたら、一方がもう一方に比べて「携帯性」に優れているとは言えない。唯一の結論は、2つのデバイスには、実際には名称以外に違いがないということだ。
確かに、すべてのメーカーが、自分たちがネットブックと呼ぶものとこれほど類似したノートPCを売ろうとしているわけではない。HPはネットブックと超薄型CULVノートPCを販売しており、LenovoやAcerなど多くのメーカーも同様だ。しかし、より多くのノートPCを販売すること、多くの購入客が倹約する中でノートPCに魅力的な価格を付けること、そしてそれでもなおある程度の利益を上げる方法を見つけることの釣り合いをどのように取るべきかについて、PC業界全体に明快さが欠けているということを、Dellが2機種間の境界線をあいまいにしたことが反映しているようだ。
ネットブックの定義が非常に恣意的であり、なおかつ軽量薄型のCULV搭載ノートPCによって、同程度の価格でもっと性能が良いものが買えるようになったため、これまでの市場におけるネットブックの大洪水は、ほそぼそとした流れにまで静まるだろうことは想像に難くない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
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