当然、大手PCメーカーも分け前を得ようとしたが、予算的に厳しい従来のノートPC製品の売り上げを損ねる結果にしたくはなかった。そのため、ネットブックは「コンパニオンデバイス」として売り出された。例えば、電子メールをYahooや「Gmail」上に、画像をFacebookや「Picasa」上に、といったように、自分のデータを「クラウド上に」保管し、「Pandora」やLast.fmなどのサービスで音楽をストリーミングするような場合は、自宅では普通のノートPCを使い、外出時はもっと小型で、それでも自分のデータの多くにアクセスできるデバイスを使うことができる。
しかしその後、テクノロジに詳しいアーリーアダプター以外の人々が大挙してネットブックを購入し始めた。2008年には北米で1600万台のネットブックが売れた。その理由は、ネットブックはほとんどの従来型ノートPCよりずっと安価で、慣れ親しんだOSであるWindows XPで稼働するからだ。おそらく偶然ではないだろうが、ネットブックの人気は、経済が低迷しだしたころから右肩上がりの成長を見せ始めた。
2009年に入ると、Intelが、安価でバッテリ寿命を向上させる超低電圧プロセッサの構想を打ち出した。PCメーカーはもちろん、この構想を気に入った。これからまた新しいハードウェアにこれを搭載し、ネットブックよりも少し高く売ることができるからだ。
そしてDellが399ドルのInspiron 11zを発表した。これはネットブックと非常に似ており、価格もネットブックと同じくらいだが、それでもDellにとっては、これはネットブックではない。プロセッサがわずかに速くなり、メモリも1Gバイト増えたノートPCだとDellは説明している。
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