マイクロソフトが「IE 6」と決別できない理由 - (page 3)

文:Ina Fried(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年08月18日 07時30分

 Internet Explorerの責任者であるDean Hachamovitch氏は、先週のブログ記事で、次のように述べている。「多くのPCは、熱狂的な個人ではなく、組織が所有している。そのような組織でマシンに責任を持つ人々が、PCをどうするかを決めている。そのような人々は、数十台、数百台、あるいは数千台のPCが予算の範囲内で動作し続けるようにすることに、職業として責任を負っている」

 そこで、IEの運命の大部分は、Windowsの採用状況の拡大に結び付けられている。Barzdukas氏は、ほとんどの企業は、新しいブラウザが組み込まれた新しいバージョンのWindowsに移行しない限り、新しいバージョンのIEに移行することはないだろうと述べている。多くの企業がWindows XPに固執している限り、IE 6にも固執することになる。

 IEには、新しいバージョンの採用という問題のほかに、さらに根本的な改装が必要ではないかという問題もある。特に今の時代には、ブラウザは、ウェブサイトからウェブサイトへと移動するための道具であるだけでなく、アプリケーションを実行するためのエンジンとしても使われている。

 このようなブラウザの本質の変化は、Googleが「Google Chrome」ブラウザを開発し、「Google Chrome OS」を開発していることの主な理由だ。このOSは、今日のコンピュータの作業はほとんどがブラウザの中で実行できることを仮定している。

 Microsoftも、ブラウザに大幅なオーバーホールが必要かもしれないという可能性を、少なくとも調査している。同社の研究部門は、「Gazelle」と呼ばれるプロトタイプを作った。研究者のHelen Wang氏は、7月の米CNET News単独インタビューで、ブラウザはよりOSに近い動作をし、どのウェブプロセスが優先的にコンピュータのリソースにアクセスするかを決定する上で、より重要な役割を果たす必要があると述べた。

 「これが進むべき正しい道であり、現実的な道になりうると考えている。多くの作業が必要な道でもあるだろう」(Wang氏)

 一方Barzdukas氏は、Internet Explorer 9やさらにその先でMicrosoftがどこに向かうのかということについては、多くを語らなかった。

 「(Microsoft Research)が行っている多くの作業と同様に、われわれが新しい考え方をするよう後押しされることが多い。それが、彼らとともに仕事をする理由の1つだ」(Barzdukas氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ

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