Opera Softwareの最高技術責任者(CTO)としてIEの独禁法違反問題に関し率直な意見を述べてきたHakon Wium Lie氏は、今回の提案を歓迎している。
「当社にとって素晴らしい日だ。選択画面というのは良い知らせだと確信しているし、これはユーザーに真の選択を与えることになると思う」(Lie氏)
ただし、現時点で明らかになっていないのは、どのブラウザが選択画面に表示されるかということだ。当然ながら、Lie氏はこの点を警戒している。
「選択画面上で(ブラウザを)入手する際のルールは、EUによる厳しい監視の対象になるだろう。ほんの1つか2つに制限することは(良い考えではないだろう)、しかし、具体的にいくつになるのかというのは良い質問だ」(Lie氏)
オープンソースブラウザ「Firefox」の開発を監督するMozillaは、さらに警戒を強めている。
Mozillaの最高経営責任者(CEO)、John Lilly氏は声明の中で次のように述べた。「われわれは、Microsoftが行っている提案の詳細を見ることに興味を持っており、それまで明確な対応を示すのは難しい。もちろん、今日のブラウザがわれわれのオンライン体験の大部分を仲介するのだから、ユーザーが自分でデフォルトのウェブブラウザを選択できるようMicrosoftが変更を加えるというのは、素晴らしい進歩だ」
Mozillaはまた、ブラウザが選択画面で選ばれる際の基準や、Microsoftが選択肢に加えるブラウザにどういった条件を課す可能性があるのか、すでに選択機能を実行しているWindowsのバージョンをアップデートすることになるのかどうかについても、疑問を呈した。
計画されているブラウザ非搭載のバージョンは、ユーザーに数多くの悩みをもたらすことになる。これには、IEがない状態で競合ブラウザをダウンロードしなければならなくなることや、ブラウザ搭載の場合よりもWindows 7にアップグレードするのが困難になることなどが含まれる。たとえば、「Windows Vista」からWindows 7 Eに移行する場合はOSを新規インストールする必要があるが、他のユーザーは既存のWindowsをアップグレードするだけで済む。
MicrosoftのSmith氏は次のように述べた。「欧州委員会が一般から意見を求めて今回の提案を検討する間、当社は欧州の法令と、2007年における欧州第一審裁判所の判決により課された義務を、全面的かつ確実に順守するよう取り組む。欧州市場向けにマシンを製造するPCメーカー各社は、欧州委員会が当社の提案を十分に調査し、これらが欧州の法令による当社の義務を満たしているか否かを決定するまで、Windows 7の『E』版を出荷するよう引き続き要請されることになる」
Microsoftはまた、「Windows、『Windows Server』『Office』『Exchange Server』『SharePoint』など数多くのMicrosoft製品と、サードパーティー製品との相互運用性を促進することを目指した、公益のための事業」に取り組んでいる。
Microsoftは、ブラウザの問題とは別に、Officeをめぐる不満にも直面している。
「IEにおける提案のように、われわれが行っている相互運用性に向けた措置は、Microsoftによる重大な変更となる。これらは、欧州委員会との広範にわたる議論に基づいて当社が2008年2月に発表した『Interoperability Principles』(相互運用性の原則)の上に築かれるもので、法的強制力のある保証義務などの新たな手順を含んでいる」(Smith氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)