Microsoftは、2009年末のホリデーシーズンに間に合わせて、「Windows 7」の出荷を開始できる見込みだが、新学年が始まる時期を前にしたシーズンは逃すことになってしまう。
とはいえ、この問題を解決し、新しいOSがリリースされる前に、PC販売が失速するのを避けるため、Microsoftは、これまで何カ月もの間、無料のアップグレードプログラムの提供準備を進めてきており、米国時間6月25日に入って、正式な発表を行った。
同アップグレードプログラムにより、「Windows Vista Home Premium」、「Windows Vista Business」、「Windows Vista Ultimate」が搭載されたPCの購入者には、10月のWindows 7リリース後に、対応するバージョンへのアップグレードが、無料で提供される。Microsoftは、このアップグレードプログラムが、少しでもPC販売の押し上げに貢献するようにと願っている。
MicrosoftのコーポレートバイスプレジデントであるBrad Brooks氏は、インタビューに応じ、「こうしてPC向けのアップグレードプログラムが発表された現在、特に学生にとっては、新たにPCを購入する、おそらくは最高のタイミングがやってきた」と語っている。厳密に言うならば、Microsoftは、Vistaを搭載するPCの在庫がなくなるまでに長い時間がかかるとの予測から、同アップグレードプログラムの提供は、2010年1月末まで続くことになるとのアナウンスを行っている。
Microsoftが、各PCメーカーに対して、アップグレード権利の提供に必要な金額の負担を迫るのではないかとの推測も流れていたものの、Brooks氏は、最終的にMicrosoftが、無料での提供を決断するに至ったことを明らかにしている。各PCメーカーは、望むならば、配送料や手数料、その他の何らかの低価格の料金を、(同プログラムの利用者に対して)請求することが可能である。
Brooks氏は「Microsoftとしては、同プログラムの提供に、一切の金銭的な負担を求めない方針である。その実施方法に関しては、各PCメーカーに裁量が委ねられている」と述べた。
たとえば、Hewlett-Packard(HP)は、無料でアップグレードプログラムの提供を行なう方針を、25日に発表した。Windows 7が出荷された後、Vistaを搭載するPCの購入者に対し、Windows 7のディスクと、ユーティリティ、ドライバ、その他のソフトウェアが含まれた別のディスクのセットが、郵送される予定である。Asusは、米国内における、無料でのアップグレードプログラムの提供方針を明らかにしたが、他の地域の顧客には、配送料および手数料の負担が求められる予定だ。
Acer(eMachinesおよびGatewayブランドを含む)、富士通、Lenovo、東芝も、同プログラムへの参加を表明しているものの、提供に際して、どのような料金体系を採用するのかは、まだ現時点では明らかにされていない。
なお、今回の発表は、MicrosoftがVistaの発売時に提供した、同種のアップグレードプログラムとは、いくらか違いがあることも判明している。Vistaのテクノロジ保証プログラムにおいては、どのようにアップグレードが提供されるべきかに関して、Microsoftが主導権を握っていた。とはいえ、Microsoftは今回、さまざまな物事を各PCメーカーに任せる方針を打ち出している。
Brooks氏は「アップグレードプログラムの提供に関して、各PCメーカーは、Microsoftよりも優れた手法を採用可能であると考えており、われわれとしても、そのことを認めることにした。各PCメーカーが提供手法の構想を練り、必要となるプロセスの処理も手がけていくことになる」と語った。
しかしながら、欧州では、やや事情が複雑になる。Microsoftは、欧州でもアップグレードプログラムを提供するものの、同社は、規制当局による制限を事前に回避するため、欧州ではブラウザ非搭載のWindows 7を、「E」バージョンとして提供することになるため、各ユーザーは、対応するバージョンへのアップグレードに際しても、クリーンインストールを行わねばならない。
Microsoftは、Windows 7を搭載した新たなPCやパッケージ製品の発売が、10月22日にスタートするとのアナウンスを行ってきた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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