しかし、MicrosoftのPowerset部門担当ゼネラルマネージャーであり、製品ディレクターでもあるScott Prevost氏によると、セマンティック検索は、ウェブページに掲載されているプレーンテキストの意味を解析するために検索エンジンの性能を向上させることとも関係しているという。同氏は、クエリを理解し、検索結果の1ページ目にユーザーの期待通りの結果を表示できる検索エンジンが今後、人々の人気を集めていくことになるだろうと述べている。
セマンティック検索の新興企業であるHakiaの最高経営責任者(CEO)であるRiza Berkan氏によると、この取り組みの目的は、検索をより直感的なものにし、友達や同僚に質問するようなかたちで利用できるものにすることであるという。同氏は「われわれは、検索がより対話を重視した技術を用いるものになっていくと確信している」と述べている。
もちろん、これはAsk.comにとっても嬉しい話である。同社は米国時間6月17日、自社のデータベースに3億組以上の質問と回答が蓄積されていると発表しており、Imielinski氏はこのデータベースによって検索にまつわるコンテキストを提供できると考えているのである。
しかし、セマンティック技術に対するこういった取り組みのいずれも、検索業界においてトップに君臨しているGoogleの地位を揺るがすには至っていない。comScoreの調査によると、Googleは実際のところ、5月にもその市場シェアを伸ばしたという。GoogleのPeter Norvig氏はセマンティック技術の利点を認め、セマンティック技術の推進におけるYahooの功績についても認めている。2009年5月にSearchologyで発表された、セマンティックウェブを推進するためのRDFaという標準規格をサポートするというGoogleの決断について同氏が語った際には、パネルディスカッションの数百人に及ぶ聴衆から拍手がわき起こった。
とは言うものの、Googleはこの討論における経済的な要素については疑問視している。17日のパネルディスカッションでは誰もこのことについて言及しなかったものの、MicrosoftのPrevost氏が2008年8月に「Search Engine Strategies」カンファレンスで述べたところによると、キーワード検索広告におけるGoogleの優位性を崩したいという願望が、セマンティック技術の研究を推進する力としてある程度働いたという。同氏はこの時、「人々がキーワードを競り合うのではなくコンセプトを競り合うようになれば、状況は一変する可能性がある」と述べた。
この点に関して、Norvig氏は17日、対話型の検索というコンセプトは、何を探せばよいのか判らない人や、特定のテーマについて詳しくない人に適していると反論した。同氏は、特定のテーマについてある程度理解している人や、迅速に答えを見つけたい人は、キーワードを用いた検索を行うだろうと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する