「Androidは革命」--グーグルの担当ディレクターが語る「オープン性」の意味 - (page 2)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年05月27日 07時30分

--Googleに買収された後、Androidの目標はどのように変わりましたか

Rubin氏:目標はほとんど変わっていませんが、ビジネスモデルは明らかに変わりました。Googleのビジネスモデルは広告に深く依存しており、このためGoogleにとって広告が完全にビジネスの基準になっています。われわれはただ、より多くの人々に到達したいと望んでいるだけで、願わくはGoogleを利用してもらって、広告売り上げが増えればと思っています。

 ところで、われわれは、自社の広告ビジネス、そして、人々が情報を見つけるのを手伝う能力に大きな自信を持っているので、人々にGoogleを利用することを求めずにすむと思います。誰かがAndroidを使って「Yahooフォン」を開発するとしたら、素晴らしいことです。

--「Googleフォン」と言われているような、電話機自体を開発することを考えたことがありますか。

Rubin氏:そうですね、携帯電話をつくるとしたら楽しいことですが、わたしはどちらかというと、1つの製品に集中するよりも、複数の企業の携帯電話で動作可能なプラットフォームをつくりたいと思います。

 1つの製品ではいずれ限界がやってきます。製品が2つだったとしても限界はきます。しかし100の製品なら、新たな段階に到達するでしょう。人々はそのようなスケールで情報にアクセスすることを望んでいるとGoogleは考えています。

 ビジネスモデルに話を戻すと、Googleは広告に関して素晴らしいビジネスモデルを持っています。そしてオープンソースとこの広告ビジネスモデルの間には自然なつながりがあります。オープンソースは基本的に流通戦略であり、それを採用するための障壁は一切ありません。

 Androidが新興企業だったときのビジネスは「かみそりとかみそりの刃」でしかありませんでした。「かみそり」はオープンソースOSで、これは無料です。「かみそりの刃」は、Androidの元々のビジネスモデルでは基本的にオープンソースOSを利用したシステムのプロビジョニングで、ワイヤレスキャリアに販売していました。このビジネスモデルは実証されていないと言ってよいでしょう。確かにベンチャー資金を調達しようとしたときにも、実証されていないビジネスモデルだと言われました。

 わたしは挑戦してみる気がありましたが、そのときLarry、Sergey、Ericがやってきてこう言いました。「GoogleのコアビジネスとGoogleのビジネスモデルはこれにもっと合っている。それにGoogleの中でやった方がかなり楽になるだろう」。今考えると、その通りだと思います。

--これは市場シェア争いですか。モバイル業界を征服したいというような考えを持っていますか。

Rubin氏:われわれはこれをまず規模の観点から見ています。ここでの使命は世界の情報を体系化し、どこからでもアクセス可能で関連性のあるものにすることです。そこでアクセス可能ということに関して、どういうわけか欲しい情報へのアクセスが阻まれている状況を想像してみてください。ホテルに泊まり、部屋でインターネットを利用するために19.95ドルを払ったのに、ホテルのファイアウォールのせいで自分の「Exchange Server」にアクセスできないとしたら、頭に来るでしょう。

 わたしは、そしてGoogleも、どうしてGoogleのサービスにアクセスしたいコンシューマーがこれをできないような形に状況が変わってしまったのか、という点から物事を見ています。

 コンシューマーがブロックされずに情報にアクセスできるようにするというこの正当な目標は、われわれの競争相手を助けることにもなります。われわれがやりたくないのは、独占することで他者に不利益を与えることです。つまり、Googleにしかアクセスできないようなほかから切り離された構造は、どんなものであれつくりたくないと考えています。そしてこれがオープン性の定義です。単なるオープンソースではなく、本当に求めている情報を得られる自由のことを言うのです。

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