mixiオープン化でモバゲー、グリーとのモバイルSNS戦争の行く末は? - (page 2)

西田隆一(編集部)2009年05月22日 04時12分

モデレーター:モバイルSNSと言えば、昨年、株式市場に上場を果たしたグリーの話題が大きい。また、モバゲータウンも存在している。これらの3つのモバイルSNS戦争についてどう考えるか?

笠原氏:ミクシィは実際に知っているリアルな友人・知人でつながっていることが大きな特徴となっている。(ソーシャルアプリは)リアルな友人・知人のコミュニケーションを多様なものにしていくこと、活発にしていくための展開方法だ。mixiはこの友人・知人のつながりを使って発展し行くだろう。

原田氏:モバイルでソーシャル化(リアルな世界での友人・知人同士のつながりに焦点をあてた)されたSNSは、世界ではmixiしか提供していない。既存のモバイルSNSと呼ばれているところも、今後、(リアルな世界の友人・知人同士のつながりに向けて)ソーシャル化されていくのではないか(編注:モバゲータウンやグリーはリアルな友人・知人ではなく、バーチャルな空間で知り合った知人のつながった場だと暗に言っている)。

モデレーター:(ディー・エヌ・エーの守安氏に対して)モバゲータウンはオープン化は考えていないのか?

守安氏:検討はしているが、具体的には動いていない。

モデレーター:(グリーの田中氏に対して)グリーのソーシャル化について、また、mixiのオープン化をどう見るか?

田中氏:最近上場する中で、投資家から「家族で(グリーのペット育成ゲームの)ペットを育てています」という話をきいた。(グリーはバーチャルな知人同士のつながりだというが)このように何がリアルで何がバーチャルかはわからない。今後のSNSはリアルだとかバーチャルだとかいう関係性を取っ払ったものになるのではないか。

 (モバイルSNSの)オープン化については、いくつか国内に問題がある。1つは、出会い系サイト規制法という法律に抵触するかが大きな問題だ。サイト内のコミュニケーションの中で男女が出会う機能を提供しているサイトは、出会い系サイト規制法の対象になるのかということだ。

 2つ目は、サイトの健全化を図る団体のEMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)の認定基準として、「運営会社の経営陣が(サイトが健全かどうか)チェックするように努めている」のがポイントとなっているが、ソーシャルアプリの中身までちゃんとチェックしているのかが問題だ。チェックしていなければ、そもそもオープン化するという建てつけがおかしいということになる。

 3つ目は、携帯電話キャリアの公式サイトについてだ。公式サイトでは、公式サイト以外の外部サイトにリンクをしていいのかなど、キャリアによって運用ポリシーがある。オープン化をすることは、それがすべて問題ないのかということだ。

笠原氏:規約上では出会い系の機能は禁止している。出会いを誘発する機能があるかどうかをチェックしているし、それがあれば除外していく。

 今後、モバゲータウンもグリーもソーシャルアプリをしていくだろうと思っている。そうなれば、ソーシャルアプリの市場も大きくなるだろう。

――以下は、会場からの質問。

会場:せっかくヒットするアプリを作っても、ミクシィが目立つ導線でそれと同じ自社のソーシャルアプリを作ることはないのか?

笠原氏:そのようなことはない。mixiアプリの目的は持続可能な市場を作ることであり、魅力的な市場を作ることだ。ソーシャルアプリを提供する企業とバッティングすることは考えていない。

会場:mixi日記、mixi年賀状、エコーなどはどういう位置付けになるのか?

笠原氏:現状提供しているものは続けていく。日記の仕組みを解放して、連動して何かソーシャルアプリを作れるようにはしていきたい。たとえば、足跡と連動して追加できるソーシャルアプリを作れるようにするといったことだ。また、キラーとなる日記のアプリケーションも出てくのではないか。それは大歓迎だ。

会場:興味を持っているソーシャルアプリは何か? すでに配信されているソーシャルアプリの数はどれくらいか?

原田氏:mixiアプリのオープンβ版で配信されているのはおよそ400だ。現在は、RockYou!のSuper Petsが注目のアプリだ。箱庭系(と言われるジャンル)のソーシャルアプリの数が少なく、これを開発するのが今のところ穴場ではないか。

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