最初にASUSTeKが7インチの「Eee PC」を発表し、かわいいキーボードを子どもたちが使っている広告が出たことを覚えているだろうか?実は、明らかにIntelは、その頃のネットブックの良き時代への回帰を望んでいる。
要するに、Intelのシニアバイスプレジデント兼Ultra Mobility GroupゼネラルマネージャーであるAnand Chandrasekher氏が、北京で開催された「Intel Developer Forum(IDF)」の基調講演(Intelの公式サイト上でストリーミング配信された)で語ったところによれば、そもそもネットブックというものは、大人のユーザー向けの製品ではないという。
Chandrasekher氏は「ノートPCでしたいとは思っても、決してネットブックではしようと考えもしないことがある。(中略)子どもたちにとって、確かにネットブックは魅力的な製品だが、もし大人であれば、やはりノートPCを使いたいと思うであろう。つまりは、(ネットブックの)位置づけと考え方は、非常に単純なものなのである」と述べた。
(ところで、今もネットブックを使っている、多くの大人のユーザーがいるということについては、どのようにとらえればよいのであろうか?筆者は、今こそネットブックを、大人向けのノートPC購入のため、下取りにでも出さねばならないのではないだろうかと疑問に思う)。
さて、今回の発言を、同じくIntelのセールスマーケティング部門バイスプレジデントであるStu Pann氏が、2008年11月に開催された「Raymond James IT Supply Chain Conference」で語ったことと比較してみたい。
Pann氏は「当初はネットブックが、新興市場や小さな子ども向けの製品であるととらえていたし、ある程度のところは、実際にそうであった。とはいえ、現在は非常に多くのネットブックが、単純にノートPCを購入したいと願う人々向けに、西欧や北米市場で販売されている」と述べた。
さらに、Pann氏は「もしこれまでにネットブックを使ってみたことがあり、10インチの小さなスクリーンサイズを利用してみたならば、1時間程度は問題ないだろう。ただ、明けても暮れても使い続けられるような製品とはなっていない」と語っている。
現在、Intelが目指しているのは、Atomプロセッサがベースとなるネットブックを、より利益が上がるノートPC市場を蝕むことのないように、再定義していくことなのかもしれない。このIntelの戦略は、およそ500〜1000ドルが販売価格帯となる超薄型ノートPCに向けて、同社が2009年後半に提供を予定している、超低電圧(ULV)の「Core 2」モバイルプロセッサによって、弾みがつくとも考えられるだろう。(すでにAMDは、「HP Pavilion dv2」に搭載されたチップでもある、「Neo」プロセッサの提供でこの市場への進出を果たしている)。
しかしながら、津波のごとく押し寄せてきているネットブック人気は、本当にIntelが警戒せねばならないものなのであろうか?ちょうどAcerは、160GバイトのHDDを搭載した、11.6インチモデルの「Aspire One」を発表したところである。これはネットブックに位置づけられる製品なのだろうか?多くの人々は、これこそネットブックであるとの考えを口にしている。また、HP、Dell、ASUSなどは、今後もネットブックというポートフォリオの構築を続けていく方針だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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