また同氏は、MicrosoftがJavaScriptの面で競合他社との差をつめることについても楽観的に考えており、「Microsoftはきっと他社に追い付くと思う」と述べている。
ウェブアプリケーションに関して、JavaScriptだけを強調すれば、状況を過度に単純化することになる(そしてもちろん、ブラウザの品質には、そのほかにもセキュリティ、利用可能なプラグイン、OSのサポート、ユーザーインターフェースの反応性、といった側面がいくらでもある)。ウェブアプリケーションには、HTML 5やCSS 3といった、新しいテクノロジをもたらずウェブ規格から得られる利点もある。しかし、こういった要素をすべて組み合わせて、何かを表示するだけでなく何かを実行するウェブサイトを生み出すことのできるプログラミング言語となるのはJavaScriptだ。
MozillaのBeltzner氏は「そういったものすべてを仲介するのがJavaScriptだ。まさにウェブの制御構造だ」と述べる。
JavaScriptは一晩にして突如人気を得たというわけではない。その人気は、プログラマーたちがJavaScriptを使用して、PCベースのソフトウェアのインタラクティブ性の一部をウェブベースのアプリケーションで再現する方法を発見していく過程で、徐々に形成されてきたものだ。例えば、「Yahoo Mail」では、ユーザーがメッセージをクリックしてフォルダにドラッグすることが可能だ。このような高度なJavaScriptテクノロジは総称してAjaxと呼ばれている。
「数年前から、人々は以前にも増してJavaScriptを多用する新しい開発モデルを採用し始めた。ウェブ開発者が、ブラウザの処理能力を超えたことを望む段階にまで到達しようとしていた」(Beltzner氏)
2008年になって、JavaScriptエンジンが、ブラウザの高度化に取り組む人々からの注目を一身に集めるようになった。2008年6月にはWebKitからSquirrelFishが登場し、その後9月に「SquirrelFish Extreme」が発表された。Firefoxからは8月にTraceMonkeyが発表され、Googleは9月のChromeのリリース時にV8を宣伝した。さらにOperaが2009年2月にCarakanで競合他社を打倒する意気込みを示し、その後同月中にAppleが新しい「Safari 4」ベータバージョンでのJavaScriptのスピードをアピールした。
Beltzner氏は、「競争に本格的に火を付けたのはWebKitだと思う。同時に取り組んでいる相手がいることによって、自分たちが可能な限り最善を尽くしたのかということについての、自分たち自身の判断に疑問を投げかける手段が与えられる」と述べ、さらにChromeが「確実にプレッシャーをかけ続けている」としている。
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