2008年9月に「Google Chrome」を公開して以来、Googleは同ブラウザにおけるJavaScriptで書かれたウェブベースのプログラムの動作速度がいかに速いかを、盛んに宣伝してきた。そして米国時間3月18日、GoogleはJavaScriptの高速性の活用法を披露し、Chromeの導入を促進することを目的としたChrome Experimentsというサイトを立ち上げた。
ブラウザベンチマークによる実行速度のスコアは、見栄えのする棒グラフを示すには有効だが、現実世界におけるコンピュータ利用時のニーズからはかけ離れている場合がある。そこで、Chrome Experimentsでは、これまで以上に興味をそそるよう作られた、手の込んだJavaScriptアプリケーションを集めて紹介している(アプリケーションを見るのにChromeを使う必要はないが、適切に表示されないことがある)。
現在掲載されている作品例は19種類で、複数のウィンドウをまたいでバウンドするビーチボール、コントロールタブを使ったアニメーション、フラクタルツリー、3D画像モデリングなどがある。
Googleはこのサイトについて「こうした実験作品を制作するために、数多くの著名なウェブデザイナーやJavaScript開発者に働きかけた結果、REAS氏、Mr. Doob氏、Ryan Alexander氏、Josh Nimoy氏、Toxi氏といった面々がサイトに作品を投稿してくれた。今後も、新しい投稿作品を掲載してサイトを更新していきたいと考えているので、開発者やデザイナーは実験作品を作って、このサイトに送ってほしい」と述べている。
JavaScriptは、多くの一般的なウェブの機能に使われているが、「Google Docs」などの高度なウェブアプリケーションのベースにもなっている。Googleがウェブアプリケーションで掲げている高い目標を考えれば当然のことだが、同社はJavaScriptのさらなる高度化を望んでいる。
したがって、Chrome以外のブラウザでこのサイトにアクセスすると、「この作品はGoogle Chromeで実行することを強くお勧めします。他のブラウザでは動作速度が遅くなったり、まったく動作しない場合があります」という警告メッセージとともに、Chromeをすぐにダウンロードできるリンク先が表示されることも、驚くことではない。
Googleでは、同社としては珍しく、Chromeの広告宣伝も行っている。同社がChromeに大きな期待を寄せていることは明らかだ。
当然ながら、Chromeではすべての実験作品が問題なく動作したが、他のブラウザで試した結果はまちまちだった。私の好きな作品の1つ「Ball Pool」を例に取ろう。これは同心円状の模様がウィンドウに次々と表示され、そのウィンドウを揺らすと円があちこちに跳ね回るという作品だ。「Firefox 3.1」のベータ3版では問題なく動いたのだが、「Safari 4」のベータ版では動くものの円の縁が欠けることがあった。また、「Opera」では円の動きは滑らかだがウィンドウを揺らしても何も起きず、「Internet Explorer 8」のリリース候補(RC)版ではまったく動作しなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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